中編3
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続続 みっちゃんの案山子

投稿3回目、農機具小屋の扉を開けるところからの続きです。

『ギィイィ…ギギッ…』

長い間使われてなかったせいか、扉はかなり開けにくい状態でした。扉を持ち上げたり、軽く蹴り飛ばしたりしていると、突然一気に開きました。

『ガガガガガ!』

『おわっ!!!』

…そこで見たものは…何と小屋の中の棚に、人の頭部が所狭しと敷き詰められていたのです!

『おぉおおぉぉぉぉお!!!』

大人気なくすっかりパニックになった僕は、その場に腰を抜かしてしまいました。夕日が朽ちた小屋の壁から射し込み、オレンジ色の光が不気味に形相を映し出します。

『おっおぉぉぉ!あぁぁああ………んん??』

やっと状況を把握する事が出来ました。みっちゃんは間違いなく案山子マニアですから…本物の人の頭部である訳がありません。そう、やはり案山子の頭部だったのです。じっくり見なくても、ハリボテだと分かるものも沢山有りました。

『心臓止まるかと思ったわい!!驚かすなっちゅうねん…(泣)』

しかし、よく見ると…長髪のカツラを被せてけったいなメイクをしたマネキン…口に穴を開けて何か無理矢理突っ込んであるマネキン…鼻から得体の知れない液体が流れているマネキン等…やっぱり尋常ではないものも並べられていました。やっぱり来なければよかったかも…そう思うとニヤニヤし始めてしまいました。人は強い恐怖を感じると、むしろ笑い始めるもんなんですね。本当に。

『あかん!やっぱりみっちゃん、かなり異常やわ。』

そう言って、鼻をつくジメジメとした臭いに頭痛と吐き気を覚えながら、その場を去りました。

その後友人と飲みに行ったのですが、お酒を飲む前から気分が悪く、あの場所に行った事を後悔しました。僕の想像の範疇を越えた世界でした。

『なぁT(僕の名前)、久しぶりに会ったのにしんどそうやなぁ。』

気を使わせている事を申し訳なく思い、取り敢えず今日あった事全てを話しました。随分気持ち悪がっていました。でも、決してまた行こうとは言ってきません。そういった類の話が大好きな友人も、体調を崩した僕の手前我慢していたんでしょう。

今も地元に住んでいる友人でしたが、何となく最近死体が見付かった事件は知っていましたが、やはり詳細は知らないとの事でした。

後味が悪いまま地元をあとにしました。

それからおよそ1ヶ月後、あの友人から電話がありました。

『俺、昨日急にお前の話を思い出したもんで、あの小屋のある畑に行ってきたぞ。』

『で、中見たの?』

『いやぁ…それが小屋も無ければそんなに雑草も無くて…短い草が茂ってるだけで単なる空き地やったわ。』

『そんな訳ないやろ。場所間違えてるで、それ。』

しかし、何回も場所を確認し合いましたが、確かに間違いありません。この短期間に撤去したとしか考えられないのです。

それから約一年後、また実家に帰る機会があったので、またあの畑に行きました。まるで引力に引かれる様に…。みっちゃんの死因も公にされないまま時間は過ぎていました。

…確かに単なる空き地となっていました。路肩に車をつけて、あてもなく空き地を歩き回る僕。あの案山子の頭部を思い出しながら農機具小屋のあった辺りに行きました。すると……何と!マンホールの様な木製のフタが地面に見えるではありませんか!土が覆い被さり、草も少し生えていたので、意図的に見ないと判らない感じです。一年前の気持ち悪い案山子の頭部を思い出しながら、それでもフタを開けずにはいられない己の性(泣)。

『よし、これで絶対最後にするぞ。今回この下を確認したら、もうみっちゃんの件は忘れる。』

ひとりでぼそぼそ呟きながら勇気を振り絞って開けました。

『せ〜の…エイ!!』

『ガコン!』

意外にも容易に持ち上がったので自分で驚きました。

…続く…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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