中編3
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祖母と女の子

去年の話。

私が大学に入学して間も無く、私の祖母が死んでしまったんです。

小さいころから、とても優しくしてもらっていたので、

連絡を受けたとき、とても悲しくなりました。

しばらくして、大学生活にも慣れきて

友達もできはじめました。

そして、今度みんなで旅行にでも行こうということになり、

シルバーウィークを利用して、二泊三日で旅行にいってきたんです。

いった場所は海が近くにある所だったんですが、

みんな買い物に夢中で、観光なんて全然しませんでした。

暇をもてあました、私と友達のAは仕方なく、そこの海に行き、大学の狙っている男について話したり、悩みなんかを話したりしていました。

旅行も終わり、友達の買い物袋でいっぱいになった車に何とか乗り込み帰りました。

車の中で、「楽しかったね」などと言っている者もいましたが、私は内心

「どこがだよ!旅費かえせ~~!!」なんて思っていました(笑)

そんなこんなで、帰ってきて、自宅にいざ 戻ろうとしたとき、旅行中、あまり話すことが無かったBが話しかけてきました。

B「ねぇ〇〇(私の名前)」

私「ん、どうかした?」

B「こういうこと、あんまり言いたくないんだけど・・・」

私「?」

B「ついて・・きてるよ・・・」

私「・・・え!?」

B「八歳ぐらいの女の子だと思う」

どうやら、Bには霊感があるらしい、そして、Bが言うには私についてきた霊は、結構やばいらしい。

悪霊に近いと言われました。

私「えぇ!! じゃあ、どうすればいいの!?」

するとBは

B「お祓いした方がいいと思う、ごめんねこんな事・・・」

なんて事を教えてくれたんだ、と思いましたが、知らないのは知らないでなんか嫌なので、とりあえず、お礼をいい

その場を離れました。

お祓いと言っても、時刻はすでに九時過ぎ。

お祓いに行ける様な時間ではなかったので、その日はそれでやり過ごそうと思いました。

今思うと、その時行っておけばよかったです・・。

自宅に着いたときには すでに十時をまわっていました。

「もう寝よう」

そう思い、寝室へ。

部屋のドアを閉めたとき、急に立ち眩みがし、その場に倒れこんでました。

視界が暗くなって、立つことも出来ない・・。

こんなの初めて

しばらくすると、暗い視界の中に、裸足の足が見え始めました。

私「・・だ・・れ・?」

裸足の足は、私の前に立ったまま、動こうとしませんでした。

十分ぐらいたったころだと思います。

突然、その足がしゃがんできたんです。

その顔は満面の笑み・・・

姿はまるで、骸骨のようにやせ細り、砂だらけ。

カサカサの手を 私に伸ばしてきました。

私「や・・めて・・・!」

手が私の顔に触れる寸前、立ち眩みが急に楽になり、立てるようになりました。

逃げなくては!

それしか頭に浮かびませんでした。

急いで立ち、部屋から出るとき、チラッと後ろが見えました。

やせ細った女の子・・・

その前に、着物を来た人が立っていました。

しかし、そんなことは恐怖でどうでもよくなっていました。

寝室から出て、リビングまで来たとき寝室から、ものすごいうめき声・・。

「ウゥギィィヤアァアアァアァア!!!」

多分、女の子の方の声。

「ヤメロォ!!」

「あぁああぁああああ!!!!」

ものすごい恐怖、そのままリビングで気絶してしまったんです。

目が覚めると、すでに朝。

しかし、かすむ視界に、見覚えのある顔が・・・

その顔はしだいにハッキリ見えてきた。

私「おばあちゃん・・・」

その言葉を発した瞬間、その顔は穏やかに笑い、小さな女の子の手を引いて、

光に消えていきました。

おばあちゃんが守ってくれたんだ。

そう思ったら、急に涙が溢れてきました。

おばあちゃんが連れて行った女の子。

あれは、私についてきてしまった女の子だったのでしょうか・・・

だとしたら、おばあちゃんは、とても偉大な人だなと思いました。

あれから毎年、おばあちゃんのお墓参りは一度も欠かしていません。

お線香をあげた後

いつもお墓の前で、言っている言葉が

「おばあちゃん、本当にありがとう・・・」

怖い話投稿:ホラーテラー ネギさん  

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