短編2
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泥棒

これは、私の男友達(Aとします)が体験したお話です。

Aは、地元を離れた大学に通い、独り暮らしをしていました。

部屋は2部屋あり、1部屋は居間、もう1部屋は寝室として使っていました。

ある夜、Aが寝室で寝ていた時の事、隣の部屋からガサゴソという音がして目が覚めました。

薄目を開けて見てみると、暗い部屋で人影が動いているのが見えました。

「うわ…もしかして泥棒か!?隣の部屋に盗られて困る物はないし、面倒な事は御免だから寝たフリをしておこう…。」

Aは10分くらいしたら出ていくと思い我慢していたのですが、泥棒はいくら経っても部屋から出ていく様子はありません。

それどころか、人影がAの寝ている寝室に近づいてくるではありませんか。

「うわー勘弁してくれよ!」

Aが薄目を開けて様子を見てみると、泥棒の顔がうっすらと見えてきました。

それは、髪が長く、腰が曲がるほど猫背な気持ちの悪い女でした。

「女なら、包丁や武器を持っているかもしれない…下手に手を出さない方がいいな…」

冷静に判断したAは、寝たフリを続行する事にしました。

猫背の女はAの寝ているベッドの周りをウロウロした後、Aの顔をジッと見てきました。

薄目を開けているのがバレては困ると、Aが目を瞑ると、ベッドが「ギギッ」っと揺れました。

意を決して薄目を開けてみると、女が寝ているAを四つん這いに股がり、Aの顔を満面の笑みで見ていたのです。

そこでAは恐怖に怯えるどころか、だんだん女に怒りをおぼえてきました。

「なんだよ…人の顔ジッと見て気持ち悪いなぁ…ぶん殴ってやる」

とAが寝ている体制のまま、女目掛けて拳を振り下ろしました。

「スカッ」

そこに女の姿はありませんでした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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