短編1
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ヒロシマの夜

夜、会社帰りに近所の公園を通りかかったときのこと。

「ミズヲクダサイ・・・」

いかにも人でなさそうなものがよたよたと近づいてきました。

私は「ヤバイ!」と思って全速力で家まで帰りました。

その日は疲れていたこともあり、気味が悪いながらもあっさりと眠りにつきました。

すると夢の中で、またあの人に会ってしまったのです。

真っ暗な空間に、私とその人だけ。

「ミズヲクダサイ・・・」

私は声を出すことも、動くこともできず、近づいてくるそれを見ているだけでした。

それは女性でした。

ほぼ全裸で、赤くただれた皮膚は今にも剥がれ落ちそうで、ぼさぼさの長い髪を振り乱していました。

「ミズヲ・・・・・・」

そこで目が覚めました。

当然、汗びっしょりになっていました。

「なんなのよ」

苛立ちのあまり傍にあった時計に枕を投げつけたとき、気付きました。

時刻は8月7日午前0時。

原爆投下の翌日でした。

なぜ私は、あの人に水を渡さなかったのか。

もう遅いですが、後悔しています。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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