男友達の父親(故人)の話です。
飲酒運転には厳しかった男友達の父親が、何故かその日だけは飲酒運転をしてしまった。
しかも、酒気帯びレベルではなく、ベロンベロン。
会社の車にて、泥酔運転中に交通事故。
対向車を走っていた二十歳の女性を巻き込み、父親も、二十歳の女性も亡くなりました。
父親の事故連絡がある直前の、夜9時頃…
男友達の母親は、父親(夫)を家の前で見掛けていました。
父親「○○の作業、無事終わりました!お疲れ様です!」
男友達の母親は、何事かと思って慌てて窓を開け、外を覗きました。
母親「え!?アンタ何言ってんの??早く家に入りな!!」
母親はそう言い返しましたが、家の前でビシッと言い放った父親は、そのまま走り去ってしまったそうです。
事故の連絡があったのは、父親が家の前を走り去って間も無く。なので母親は、夫の事故の連絡を始めは信じませんでした。
「さっき話したばかりなのに…」と。
父親が家の前に来た時間と、父親が臨終した時刻が、ほぼ同じらしいです。
不思議な事は、これだけではありません。
父親のお葬式の遺影の前で、家族写真を撮ったのですが…
真顔のはずの父親の遺影が、ニッコリと満面の笑みでした。
これは、男友達の家にあった遺影と、写真に写っていた遺影を見比べさせて貰ったので、顔の違いは実際に見ました。
(別の写真じゃ…)とも思いましたが、父親の死の話で、そんな嘘を付く理由もありません。
それと、毎年のお盆に、亡くなった父親が親しかった家族や親戚に、イタズラをしに行くのだそうです。
お盆の夜寝ている時、掛け布団をバタバタバタバタ…と、激しく叩いて去っていくそうです。男友達は、去年その悪戯に遭いました。
「うちの人、悪戯好きだったからねぇ。毎年一人、誰かのところに悪戯しに行くのさ」と、笑いながら母親は話していたそうです。
男友達も、いまだに不思議に思っているのが「飲酒運転」でした。
「自分にも他人にも、あんなに飲酒運転には厳しかったオヤジが、飲酒運転やらかして事故死だなんて…俺もいまだに理解出来ないんだよな」
何故、その日に限って飲酒運転してしまったのか。
仕事が終わってから、どこで飲んだのか。
誰かと一緒に飲んだのか、独りで飲んだのか。
この部分だけが凄く不自然らしく、いまだに引っかかっているそうです。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話