中編3
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アルバイト

皆さんは深夜アルバイトをご存知だろうか?

無論風俗系やコンビニといったたぐいではない

倒産した会社から債権者が差し押さえをした物を倉庫に保管する。

それを窃盗団系に盗られない様に監視するバイト

当時で日給11000円だった。

その日も建設会社と菓子製造会社から

指し差し押さえた物が運びこまれた。バブルのあおりをうけて倒産に至ったのだという。

私は当時大学4年で就職が決まり、後は車の免許取得に金が必要の為、このちょっと高めのバイトをしていた。

当時の夜の監視員は私と課長、同じアルバイトのO君とS君(年は一緒だがバイトは先輩)の4人

倉庫入り口に防犯カメラはあるが内部にはない。

元請け(債権者)はどんな企業かは察しが付いていた。

だから4人も雇い見張りを付けているのだ。

これは海外に流れるのだという。

コピー機、FAX、パソコン、机、椅子、テレビなど様々だ。

そんな中に、一つだけソファーがあった。

それもかなり高い物だと課長が言っていた。

夜8時から翌朝6時までの勤務。うち飯時間1時間に仮眠が1.5時間

私とO君で倉庫内を巡回して課長とS君が仮眠をとっていた

O君と

「少しサボるか?」

なんて話が出て

倉庫内は禁煙だがタバコを吸い、

私はその高いというソファーに寝て

O君は机と机をくっつけてベット代わりにし寝っころがった。

まさにグータラだ。

するとソファーの周りを歩く音。

誰だろう?O君?

薄目を開けてO君を見ると腕を組んであおむけで寝ている。

気のせいだなって思いまた目を閉じる。

やはりだれかいる

泥棒??

『窃盗団系は武器を持っている』

なんて事を聞いた事もあったので少し怖くなり、ほんのり薄目を開けて寝てるふりを装い辺りを目の動きだけで見渡す。

と、視界にスカートの端が見える。

女?の窃盗??でもスカートって等考えながら

これなら抑えられると思った。

もっともドラマみたいに周りに仲間はいないかとか

手に武器はないかまでは確認の思考は回らなかった。

顔を確認しようと思い目線を少し上に移す。

女は私の顔を覗き込んでいた。目に表情はなく口元が微かに緩んでいる。

もしかしたら・・これって、出ちゃった??それとも本当に強盗?

どちらにしても不気味で、

私は声を出そうとしたが恐怖で声が出ない。

必死にO君O君と何度も叫んだが(叫んでるつもり)

彼には聞こえていない

すると覗き込んだ女性はこう告げた。

「た・・を・・・だ・・よ」

消え入る様な声なので

何を言ってるか聞き取れない。

そしてまた

「・・・くだ・・さい」

え?下さい?くださいって言った?何を?

確かにそう聞こえた気がした。

でもそれも消え入りそうな声なので確証は何にもない

そら耳かもしれない

でも恐怖には変わりはない

私は全身の毛穴から汗が出る様な感覚を受けながらも

「嫌だ消えろ嫌だ」

となんて言われたかもわからないのに呪文のように繰り返した。

時間にしたらどれ位経過したか分かりかねるが、

当然ながら帰ってこない私達を心配し課長達が見に来て寝ている我々を一喝。

そこでこの事を話すると課長は

あー・・・そう・・か

と意味深な返事

S君もまた

それ以上聞くな

とこれまた意味深。

するとO君が奇妙な事を言い出した。

俺も女に顔を退きこまれていたんだよ と。

で、私に助けを求めようとして私を見たら

女が覗き込んでいたんだよっと。

O君の方のは顔くっつくかどうかまで接近してきて

ずっとケタケタと笑っていたと。

でも同時にそんなものを見るなんてあるのだろうか?

その後そのバイトは直ぐに辞めました。

あの女性はなんと言っていたのだろうか。

長文をお読み頂き有難うございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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