短編2
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蚊帳(かや)

前に、ばぁちゃんから聞いた話。

母方の家系は割りと、霊感があって、俺も、たま~に見る程度。

ばぁちゃんは、昔から霊体験が多くて、たまにアドバイス貰ったり、怖い話し聞かせて貰ってた。

今回は、その中の一つで、まだ、ばぁちゃんが、幼かった頃の話。

当日のばあちゃんは、小さい頃から、周りには見えないものが、見えていたらしく、

その日も いつもと変わらず 外で遊んでたいたらしい。

すると、何やら周りが騒がしい。

『土左衛門だ~!土左衛門が、あがったらしいぞ~!』

と大人達が騒ぎながら みんな同じ方向に向かって走って行く。

その言葉の意味も分からず、ばあちゃんは、

その大人達の後を追った。

すると 川岸に沢山の人が集まっていてた。

ばあちゃんは、人混みを掻き分けて進むと、

そこには、

見たこともないものがあった。

かろうじて人の形を保ったものが。

ぶくぶくに膨れた 水死体だった。

怖くなった、ばあちゃんは、 一目散に、家に帰った。

ばあちゃんの いつもとは違う様子を見た母親は、『どうしたの?』と 訪ねたが、

怒られると、思って

『なんでもない!』

と、言うと 布団に潜り込み、震えていたそうだ。

気が付いた頃には 夜になっていて、 どうやらそのまま眠っていたらしく、 布団の回りには、虫除けの蚊帳(かや)が、

かけられていた。

しかし、何か違和感を感じる…。

視線を感じた ばあちゃんは、

何も迷うことなく、天井を見た…

そこには…

昼間に見た、ぶくぶくの顔が、何かもどかしそうな顔で、ばあちゃんを見つめていた。

『キャァァァアア―――!!』

ばあちゃんの、叫び声を聞いた、母親が直ぐに、 部屋に入ってきた。

『顔が……顔がぁ…』

と、泣きじゃくる、ばぁちゃんを見て、

状況を飲み込んだ、

母親は、ばあちゃんを

布団に、ぐるぐる巻きにして、

寺まで走り、

お祓いを受けたそうです。

その時の坊さんの話では、

霊は、蚊帳の中には、入ることができず、

ばあちゃんが、外に出るのを待っていたそうだ。

母親が、ばあちゃんを布団に隠して、寺まで走ったのは、懸命な判断だったと。

霊が蚊帳には入れないってのはホントなんですかね?

他に知ってる人いますか?

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名係長さん  

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