短編2
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耳鳴りの先に

初めての投稿です

下手な文章な上に長文ですので

読みづらいかもしれませんが

今現在

僕の身に起きている実話です。

よろしくお願い致します。

去年の十月

突然の激しい耳鳴りを最期に

僕の左耳は聴力を失った

医師が下した診断は

「突発性難聴」という病気だ

病気についての説明は割愛するが

原因不明で起こる難聴のことです

僕の場合は運が悪く

慢性的な耳鳴りに悩まされるようになった

さらに

「音」を「音」として

脳に伝える変換機の役割を果たす「内耳」という部分を

【何か】に侵されてしまい

左耳から入ってくる音は

全てノイズ音に変わって

伝わってしまうようになった…

「ピー」という高周波の音と

テレビの「砂嵐」の音が

混ざりあったような音をイメージして欲しい

ここで言う【何か】とは、

ウイルスと表現すべき部分なのだが

僕の血液中には、

内耳を侵すようなウイルスは検出されなかった

つまり原因不明である

難聴の始まりについては、後日談ならぬ

前日談があります

旅先の、とある廃旅館に肝試しをしたという内容です

今回の話と関係性があるのかは分かりませんが

それはまた機会があれば投稿します

発症から半年程の間に

左耳の聴力は回復に向かっていったが

内耳を侵された左耳は

不快なノイズ音を増幅させるだけだった。

そのため、

今では外からの音を遮断するために

耳栓を常時着用している

その甲斐あって

ノイズ音は多少軽減されたが、

慢性的に起こる耳鳴りの中に

最近妙な「音」が混じるようになった

「……つ……い…」

何度聞いても

人の声なのだ

痛む頭を抱えながら意識を集中すると

どうやら声の主は女性であることが分かった

大人の女性が無理矢理に

声を低く発しているような

暗く、重い声だ

内容は分からないが

同じ言葉をボソボソと何度か繰り返しては消えていく

よくある

「内容を聞き取ってはいけない」

というような

信憑性に欠けるオカルト話をイメージするかもしれないが

自分の身に実際に起きてしまうと

また別問題なのです

くだらない冗談だと笑いあえた話しが

一人の人間を恐怖の底に突き落とすだけの力を持つのです。

気のせいであって欲しいと思っています

もう少しで

聞き取れてしまうような気がするから…

怖い話投稿:ホラーテラー とくめいさん  

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