中編3
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鍵屋の日常

初投稿です。

拙い部分もありますが、楽しんでいただけたら幸いです。

うちの旦那は鍵屋をしています。

玄関や車、金庫の開錠、鍵の交換、複製が主な仕事です。

鍵を開ける訳ですから、普通の仕事ばかりではありません。

裁判官立会いの強制執行や、犯人が立て篭もっている建物の開錠、強面のお兄さん方の事務所なんかの仕事もあるそうです。

もちろん、一人暮らしで連絡がとれなくなったから鍵を開けてくれ、なんて仕事もあり、今のとこ死体は見たことないのが救いだと言っていました。

それに近いことはいっぱいあるらしいですが…。

今回はそんな旦那が体験した、ちょっとヒヤッとしたお話。

旦那視点で書いていきます。

怖くはないです。すいません。

先月から連絡が取れないって人の弟さん(30歳過ぎ)からの依頼。

大抵の場合は、仕事辞めてとか、嫌なことがあって連絡絶ってるってだけの事が多いが、似たような事件もあるし、心配になったんだろう。

場所は築10年ぐらいの、ごく普通のワンルームアパート。

開錠すればいいだけなんだけど、いくら兄弟とはいえ賃貸名義人ではないから、警察官に立ち会ってもらって作業をしなくちゃいけない。

弟さんと警察官に後ろに控えてもらい、まずピッキングで鍵を開ける。

通常なら部屋の中は見ずに、ドアが開くの確認して、依頼者に「鍵、開きました」って伝えて、ドアが開くことだけ確認してもらって、料金頂いてちゃっちゃと帰る。

ところが、今回は違った。

鍵開けて、ドア開くのを確認しようとしたらドアバー(部屋の内側からだけ開け閉めできるU字バー、チェーンみたいに少ししかドアが開かないようにするヤツ)かかってる。

ってことは中に人いるじゃん。

先月から連絡の取れなくなった人が。

こっちも商売だから「別料金になりますけどこれも開けますか?」って聞くのよ。

弟さんの顔色が青ざめてようが、警察官の顔が険しくなろうが仕事は仕事だから。

当然、お願いしますみたいな事言われて、ドアバーの作業に取り掛かった。

ドアバーを開ける時って、少し扉を開いたまま作業するんだけど、作業中、部屋の中がチラッと見えてしまった。

ゴミ袋が散乱して、その上に人がうつ伏せになってる。

やばい、死んでんじゃん………。

とりあえず見なかったことにして、ドアバーを開ける。

開いた事を伝えると、警察官が一番に部屋の中に入った。

さっき俺が見たばっかりの光景を見つけて、警察官は走り寄って大丈夫ですかって声掛ける。

弟さんの顔はは更に青ざめていく。

数秒、間が空いて、

「誰〜?」って声が聞こえた。

ゴミ袋の上に倒れてた人から…。

もうね、みんな死んでると思ってたんだ。

だから、警察官も弟さんも、もちろん俺もみんな揃ってポカーン、だよ。

みんなが驚いてるのを見て、その人は「何かあったの?」と暢気に一言。

………………。

次の瞬間、弟さんが俺の思ってた事を言ってくれました。

「生きてんのかよ!!」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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