前回の『心霊ヒッチハイカー』に対するコメント、 ありがとうございました。 母親は至って不通のトラック運転手。
今回は、母が体験した話しを、しようと思う。
俺は上京してから、母には、たまに電話で連絡をとるのだが、いつもきまって、
『あんたが、無事で生きてれば、それでいい。』 と、長男の俺には、あまり望まないらしい。
その日も、何か小さな用事があり、電話したんだが、『ちょっとさぁ…』 と、急に声色が暗くなった。
『どした?』と、訪ねると、こうだ。
最近、寝ていると、
決まって深夜の2時頃に 目が覚めて、金縛りに遭うらしい。
そして、動けない母の周りに、数人の坊さんの霊が、表れた。
そこまで聞いた俺は、
『坊さんかぁ…何か意味ありそうで嫌だな…』
と、話を折った。
『それがね~……肝心なのはこの先よ…』
と、話を続けた。
母の話では、その、
数人の坊さんの顔が、
俺の父と、結婚する前に 付き合っていた、恋人の顔をしているらしい。
母は、その人を、とても愛していたが、事情があり、別れざるえなくなったそうだ。
その後、連絡も、全く取らなくなり、
風の噂では、 交通事故で亡くなったと、聞かされていた。
それを聞いた俺は、
母の霊体験の話しよりも、 父と結婚した後も、 その人に未練があったのかとか、
父とは、妥協して結婚したのかとか、考えてしまい 複雑な気分になっていた。
昔、小さい時に、母に訪ねたことがある。
『俺の名前って、どんな意味があるのぉ?』
その問いに母は、
『母さんが昔、好きだった人の名前で、その人は頭もよくて優しくて、素敵な人だから、匿名係長(俺)にも、そうなってほしくて付けた名前よ。あっ…お父さんには内緒だよ。』
と言うと、ニコッと、いつもの優しい笑みを浮かべた。
幼いながらにも、
(言えるわけねーよ!)
と思ってた。
ちなみに、父には、
字画で決めたと言って
押し通したらしい…
母ちゃん…
期待に添えない俺で
ごめんよぉ…
完
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名係長さん
作者怖話