短編2
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あにやん 2

2才年上の兄貴はバイト感覚で“拝み屋”“祓い屋”みたいな事をしてる。

そういう家系らしいのだが、俺はしてない。

そんな兄貴は周りから親しみを込めて、『あにやん』と呼ばれている。

こんな『あにやん』にも弱いものがある。

俺より1つ下の妹だ。

俺は名前で呼ぶくせに、妹は『ちゃん』付けで呼んでいる。

その時点で負けている訳なんだが……。

兄「妹ちゃんは凄いよ。

俺にはあいつの真似はできん。」

兄貴が言うには、妹は『おばけ』を諭してるようにみえるらしい。

兄「うちは神徒やけど、

妹ちゃんは『菩薩』のようや。」

なるほど。

そんな事を聞くと身に覚えがある。

ドコだったか遠足か課外授業で帰ってきた時の事。

玄関を開けると妹が出ていくところだった。

俺の方をチラっと見ると、

妹「おかえり……

こんなトコ来たらアカンよぉ…

怖いにぃちゃんおるんやからぁ。」

俺「……ただいま。

(怖い兄ちゃん??)

あにやんがどうかしたか?」

妹「そんなん連れて平気なアンタが一番怖いわ…

  ……さ、こっちおいで。

ちょっと、〇〇ちゃんトコ行ってくるでー。」

俺「……(俺ナニ連れてんだ?)

     ……いってら。」

兄貴は笑いながら話を聞いていた。

    『コン、コン』

ガラッと扉が開き、妹が顔を見せた。

妹「ちょっと足(車)出してくれん?

ハーゲン〇ッツ買ったげるから。」

兄「おっおっ!…行こか。」

アイスに釣られて兄貴が車を出す。

扉の向こうにある妹の手には、兄貴の古びた革財布が握られていた。

『菩薩』か……

おもいっきり掌で踊らされてる『あにやん』…

……ご愁傷様です。

怖い話投稿:ホラーテラー 徳銘さん  

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