短編2
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数珠

実話です。あまり怖くはないかもしれませんが、 隙な方はどうぞ。

18才…思春期の真っ只中 だった俺は、毎日のように金縛りや、不思議な体験が絶えなかった時期だ。

あまりに、辛くて祖母に相談をした。

祖母は霊感が強く、それなりに知識のある人だった。遠く離れているため 、

頻繁には会えなかったが、よき相談相手だった。

祖母に最近、起こった事などを話すと大変心配してくれて、

『ばぁちゃんとこ来い。知り合いのイタコさん連れてってやっから』

と言ってくれたが、

簡単に行ける距離でもなかったため、暫くはこれで頑張れと、

祖母が大事にしていた

数珠を送ってくれた。

俺は、心霊体験などを恐れていたが、夜遊びはやめられず、数珠を肌身離さず持ち歩いていた。

気の持ちようかもしれないが、数珠が近くにあるときは、何もおきなくなっていた。だが、少し離れた場所にあったり、忘れると、

バイクの後ろに、誰かが乗って来て、耳元で泣かれたりと、数珠無しでは 怖くて、夜遊びもできなくなっていた。

その日も、友人のMに誘われ街にナンパに出た。

Mは単車しかないため、 俺が車を出したが、

その日は、運命の女性とは巡り逢えず、

粘りに粘ったが、深夜の 3時に、諦めて帰ることにした。

連日の夜遊びからか、

いきなり眠気に教われた。Mを家まで送り、

眠気を紛らわさんと、

大声で歌いながら運転をした。

気がつくと、車が回転して、景色が逆さになっていた。

そう…眠ってしまったのだ。

そのまま、車は3回転し、何十メートルも、逆のまま道路を滑った。

恐る恐る目を開けた…

生きている…

何処にも痛みを感じない。

最後にスピードメーターを見た時は120kmだったにもかかわらず、

俺は、無傷だった。

車は、運転席付近を除いて、元の車種の原型はなかった。

俺は、慌てて車内の数珠を探した。

どれだけさがしても

出てこなかった。

車は、廃車になって、

ローンだけが残った。

警察の人も、

なぜ生きてるのか、

しかも 無傷で…奇跡だと言っていた。

『ばぁちゃん、数珠見つからない…ごめん…』

電話で謝ると

『ええ、無事で何より…数珠はまた送るから、夜遊び控えんさいよ』

と言ってくれた。

数珠と祖母に感謝。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名係長さん  

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