おじさんの背中を見た、 奥さんは、
『あんた、どげんしたと―!?』
と、今にも泣きそうな顔をしていた。
『いいから、はよう薬ば、持ってこんか!!』
それから、おじさんの傷の手当てをして、
落ち着いたとこで
おじさんが話し始めた。
自転車で峠を走っていたが、特に変わった事も起きず、引きかえそうと思ったおじさんは、
帰る前に、 少し脅かしてやろうと、
山の方に向かって、
一発 猟銃を打った。
『あんま悪さすんじゃねぇぞ、見つけたら次はこれじゃ済まさんでの~!』
と叫び、家に向かって、 自転車を走らせた。
暫く走ると、
後ろに、何かが乗ってきた。
さっきの一発で、銃に玉は残っていない、
しかし、相手は考える間もなく、おじさんの背中を、ズタズタに引っ掻き回し、
耳元で
『やってみろ…』
と囁くと、スッといなくなった。
おじさんは、恐怖に痛みも忘れ、がむしゃらに自転車をこいで 逃げてきたそうだ。
おじさんの話しでは、 昔からこのあたりは、
事故が多かったり、幽霊をみたりもそうだが、
狸に化かされるといった人も、多くいるそうだ。
おとぎ話の世界の話だと 思っていた、
俺には、ショックな
出来事でした。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名係長さん
作者怖話