短編1
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狸 (続き)

おじさんの背中を見た、 奥さんは、

『あんた、どげんしたと―!?』

と、今にも泣きそうな顔をしていた。

『いいから、はよう薬ば、持ってこんか!!』

それから、おじさんの傷の手当てをして、

落ち着いたとこで

おじさんが話し始めた。

自転車で峠を走っていたが、特に変わった事も起きず、引きかえそうと思ったおじさんは、

帰る前に、 少し脅かしてやろうと、

山の方に向かって、

一発 猟銃を打った。

『あんま悪さすんじゃねぇぞ、見つけたら次はこれじゃ済まさんでの~!』

と叫び、家に向かって、 自転車を走らせた。

暫く走ると、

後ろに、何かが乗ってきた。

さっきの一発で、銃に玉は残っていない、

しかし、相手は考える間もなく、おじさんの背中を、ズタズタに引っ掻き回し、

耳元で

『やってみろ…』

と囁くと、スッといなくなった。

おじさんは、恐怖に痛みも忘れ、がむしゃらに自転車をこいで 逃げてきたそうだ。

おじさんの話しでは、 昔からこのあたりは、

事故が多かったり、幽霊をみたりもそうだが、

狸に化かされるといった人も、多くいるそうだ。

おとぎ話の世界の話だと 思っていた、

俺には、ショックな

出来事でした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名係長さん  

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