*怖い話ではありません。
今年もお盆が過ぎましたが
これは僕が実際に体験したちょっと不思議な話です。
毎年、お盆は父方の実家で過ごすのが恒例になっていてその年もいつものようにばあちゃん家に一家で帰省しました。
ばあちゃん家に着くと
去年亡くなったひいばあちゃんの初盆と言うこともあり喪服を着たばあちゃんが
『遠いとこよく来てくれたねー』
と笑顔で迎えくれました。
そして『ひいばあさんに線香あげてちょうだい』
と言われ線香をあげに行くと仏壇にはひいばあちゃんの遺影とナスとキュウリの馬と牛が置いてありました。
お盆中は親戚の方がお参りに来たり、お坊さんがお経をあげに来たりと忙しくあっと言う間に最終日になりました。
最終日、夕食も済んだ後みんなでひいばあちゃんの生前の話などをしていると大きな蛾が家の中に入って来ました。
はじめは無視していたのですが大きな蛾が家の中を飛んでいるのは良い気がせず捕まえようとすると全然捕まりません。
すると、ばあちゃんが
『ちょっと待って!』
と言いました。
すると蛾は仏壇の方へ飛んでいき、ひいばあちゃんの遺影の前で止まりました。
ばあちゃんが両手で蛾を捕まえようとすると
僕らがあんなに捕まえられなかった蛾が簡単に捕まりました!
そしてばあちゃんは蛾を両手で捕まえたまま『南無阿弥陀仏』と唱えると蛾はヒラヒラと外へ飛んでいきました。
ばあちゃんが蛾を捕まえ南無阿弥陀仏と唱える姿は
まるでひいばあちゃんの遺影の前で合掌し南無阿弥陀仏と唱えているようでした。
その後、ばあちゃんは泣きながら僕らにこう言いました。
『さっきの蛾はひいばあちゃんで、きっとみんなの顔を見に来たんだよ』と、
お盆に虫などを殺してはいけないと言われますがそれは故人が虫などに姿を変えて帰ってくるかららしいです。
今でもお盆の時期になると思い出す不思議な体験です!
長く下手な文章に付き合って頂きありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話