短編2
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正面衝突の瞬間②

俺は潰れた車からトラックの運転席へと目線を移した。

自分の車と比べ損傷は少ないようだった、流石に大型トラックと言うべきか。

しかし運転手がいまだに車から降りて来る気配が無い、心配になりトラックへ駆け寄り声を掛けようとした。

不意にトラックの窓が開いていく、そして運転手が顔を出した。

どうやら無事なようだ、俺は謝罪をし運転手に無事ですか?と訪ねた、運転手は自分は無事だといった後にこう続けた…「それより隣に座っていた人は大丈夫なの?」

会社から家へ向かうだけの予定だった俺の車には当然、俺以外の人間は乗っていない…

俺は運転手に自分一人しか乗っていないと言う事を説明した、運転手は一応納得してその話はそこで中断された。

運転手はトラックの助手席に座る様に促してくれた、正直助かった、外はマイナス10℃以下ハッキリ言って寒い。

俺は助手席に座り、もう一度、謝罪し警察や会社へ連絡を入れた。

警察が来るまで暫くの時間の空きが出来た、その時に運転手から先程の話が持ち上がる。

運転手が言うには、俺の車が対向車線をはみ出してきてトラックと衝突するまでの一瞬、確かに俺の車の助手席にはもう一人座っていたらしい。

そして衝突の瞬間俺の車の助手席側のフロントガラスに内側からぶつかる頭の形をハッキリ見たと…

その後暫くして警察やレッカー車が到着、衝突事故は綺麗に片付いていった。

後の事は保険屋に任せあの運転手とも連絡を取ることなく過ごしている。今となっては運転手の見たもの何だったのかはわからない。

これは余談だが…

あの事故の後、家で飼っている室内犬が俺の部屋に入ると一点を見つめ続ける様になった…

車から家へ乗り換えたのだろうか?…

怖い話投稿:ホラーテラー 黒のさん  

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