中編6
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相談者と余談

お久しぶりです。下手な文章と長文になります。苦手な方は飛ばして下さい。

先日の出来事です。

祖母(以下 『ばあちゃん』)に相談に来た人がいた。

ばあちゃんは表立ってではないけど拝み屋みたいな事をしてて、紹介のみで相談受けたり、祓ったりしてます。

相談者は女性。夜になっても相談が続いていたみたいで僕も出くわした。

ド素人の僕が見ても『憑いてる』って分かる状態の人だった。

見た目は普通の綺麗な胸の豊かな20代。で、綺麗にセットしていい匂いの香水着けてる。

しかし、その香水の花の香りに混ざって線香と獣臭いような、または女性の月のもののような臭いもしてた。

しっかり挨拶して、目を合わせてるのに。 女性の瞳とこちらの視線がピッタリ合ってるのに全く合ってないような感じ。

その夜ばあちゃんに質問してみた。

僕「さっきの人何?オレでも分かるくらいな違和感があるんだけど。」

ばあちゃん「あの人は魂の一部が違う世界に引き付けられてる人。

色々あってここに相談しに来たの。

もう手遅れかもしれない状態。」

気になってしまったのでその色々あっての下りの色々について聞いた。

女性は二年前に疲れ易い体質や倦怠感から欝で通院していた。

そして欝の症状を疑問に思っている時にある占い師に会った。

占い師は彼女が恋愛でうまくいってない事を当てた。

勿論こんな事はリーディングを使えばある程度誰でも出来る。

しかしこの占い師は続けてこう言った。

「あなたの部屋にある鏡台の隣に置いてある人形。紙で出来た鮮やかな人形。

これにあなたの念が入っていて、誰かに害をなしている。処分しなさい。」

リーディングにしてはおかしいような当たり方だったので本当の何か人にはない霊感のある人だと信じ、その占い師の言うとおりにして和紙で出来た人形を処分した。

処分の方法は占い師に任せる為、後日手渡しした。

そしてそれがいけなかったようだ。

しばらくして彼女は怪奇現象としか思えないような事が続いた。

物が移動したり、夜中にノックがあったり、信号待ちで背中を押されたり、車のエンジンが急に停まったりと。

でもそんな事は些細な事で、最たる事は夜中に寝ていると脚を捉まれる事だ。

真っ黒だが、半透明。

夜中で部屋を真っ暗にしてるのに『真っ黒』と分かってしまう。

とにかく不気味で怖い。

そしてその黒い何かは足を掴む訳だが、掴んで握り締める訳ではなく、何故かくるぶしを木鎚のようなもので小さく

「トン、トン」と軽く叩いていなくなるのだ。

勿論彼女も普通の何処にでもいる乙女である訳でその一連の霊関連と思われる現象は家族や友人、知人、寺や神社、霊感のある人など可能な限り手を尽くして相談した。

一番最初に相談したのは関わりがあるだろうと思われる容疑者、いや、占い師。

その占い師は例の人形を渡してすぐ連絡が取れなくなっていた。

占い師を紹介した人も、大した情報もなく、ただ2回だけ占って貰っただけだから行方は分からないと言う。

で、巡り巡って人づてにばあちゃんのところに来たのが今日って事らしい。

ばあちゃんが見て、聞いて分かった事は

彼女  彼女は恋愛が上手くいかない事である恋愛敵に当たる女性に嫉妬していた。

嫉妬で終わらず知らずのうちに生霊と言われる念として好きな人の彼女に憑いていた。

これでまず占い師に会うまでの欝に似た倦怠感や疲労感の事は分かった。

で、その彼女の生霊は「人を呪わば」ってやつで返ってきた。

相手の女性がお祓いか、「返し」ってのを行ったらしい。

どうも返されるとカウンターみたいななってクリティカルになるらしく普通ならもっと甚大な影響を彼女自身が受けるはずらしい。

人形   そこで人形の登場。彼女の母から貰ったもので大変綺麗なもので、インテリアとしても自然だったので飾り続けていたらしい。

ばあちゃんの解説だと、特徴からして「喪里札」と呼ばれるものじゃないかと。

喪里札とは「護り札」からきていて時々人形に編んだりしたものが昔はあったらしい。

正確にそうかは分からないけど、とにかく彼女を自分が放った生霊が悪い周りの念をくっつけて返って来た「モノ」から護ってくれていた。

占い師   和紙で出来た喪里札はどういう訳か、多分地理的な要因だったり、家系的なそれだったりかは分からないが大変強い力を持ってしまっていたらしい。

で、占い師と運が悪く出会ってしまった。

ばあちゃんの見解、予想の域を出ないが占い師は本物の力を持っている人間。

だけど悪意のある人。

占い師をしながらそういう力を利用して、さらに力のある人を利用したり、仲間にしたりする人らしい。

で、今回彼女の人形を騙して奪った訳。

なんか安い漫画みたいな設定だなっとばあちゃんにツッコミを入れたら合点の行く答えが返ってきた。

「某某有名カルト宗教の人だよ、多分ね。

去年も同じような相談があって色々あったけど、危険過ぎるから諦めた。どうにもならないから。私もまだ家族があるから相手仕切れないし、争いだけは嫌だから」

そのスーパーカルトは表でやってる事とは全く別にこういう呪術まがいの事したりもしてるらしいです。

そして信者もその事を知らないから余計どうにもならない。組織としても大きいし、生きてる人相手だからどうにもならないようです。

そして喪里札(もりふ)さん人形は恐らくその力の悪い部分。言い換えれば人間に対して損害を与える部分だけを引き出して利用されるそうです。

日本各地にいる土着の神様や神社、山などにいる神様は逆に祟り神からいい力だけを引き出して、おだてて、後のわるい力はただただ抑えている。その真逆の事をしているそうです。

例の彼女の今の状態は、件の生霊騒動ではなく、神様や精霊に似た力を持った人形が助けを求めている相手が持ち主である彼女だから障りが出ているらしいです。

獣っぽい臭いは井戸水が傷んだ臭いだそうで、人形の力は井戸神の御神体みたいななっていたからか、彼女の家系が水に関する神様を信奉していたからではないかという事でした。

なんとも後味悪く、大変理不尽な話でしたがまだ今も全く解決していません。

その人形を取り返すのが最善なんですが、無理そうなので、今は奈良にある小さな神社に任せてしまいました。

たらい回しみたいになってしまったけど、今は他の神様に近い場所にいた方がいいとの事。

「近くの出雲大社じゃいけんの?」

素朴な質問をすると

ばあちゃん「あそこは憑きモノ落としはやってないし、今回の場合で連れてくと賭けみたいになるからダメ。」

僕「賭け?」

ばあちゃん「強すぎる神様だから一発で浄霊も、妖怪も、強い山の神様も祓える場合もあるけど、少しでも間違いがあると私も家族も親戚もみんな大変な事になるから。

どうなるか分からないからおかしなモノ連れて行ったり、おかしなお願いは出来ないから。

第一私は昔からあそこは緊張するからあんまし、行きたくないの。霊感ある人なら分かる人もいるだろうけど。

参拝だけなら全然構わないだろうけど、心霊関係や憑きモノ関連はやめときない。

あんたの周りのオカルト好きにも言っておきない。」

と何故か説教っぽくなったので退散した。

この件に関しては多分いい方向に進展はないだろうからこれで終わりです。

今回の勉強になった事は「新興宗教には関わるな」って事です。

まあ小さい頃から耳にタコですが。

それでは、また。

お見苦しい長文お読み頂きありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 松葉さん  

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