短編2
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妹からの電話

今から20年前に高校の友人から聞いた話です。

友人(Aとします)にはBという中の良い友人がいたそうです。そのBには可愛い妹がいたのですが当時、体の具合が悪くて入退院を繰り返していたそうです。

半年間くらいAはBの家に遊びに行っても彼女の姿は見なかったそうです。

ある日、AがBの自宅に遊びに行くと何かBの様子があわただしく、

「ちょっと、これから出かけるけど俺の部屋で遊んでてくれ。」

というのでAは彼の部屋で漫画を読みあさっていました。しばらくすると、家の電話が鳴ったそうなのですが、Aは無視をしていたそうですが、頻繁に鳴る電話に出たそうです。電話の声はBの妹からで

「あ、Aさん?久しぶりです。」

と元気な声で話したそうですが、Aはあれ?入院してたのでは?と思い

「体の具合はもういいの?」

と聞いたら

「うん!もうぜんぜん大丈夫だよ。それよりお兄ちゃんにあったら言っておいてね。最近妹に冷たいよってね?」

こんなメッセージを残して電話を切りました。

夜になってやっと戻って来たBはひどく顔色が悪かったそうですがAは昼間、妹から電話があった旨を伝えました。するとBは驚き勇んで

「なんで!嘘だろ!」

と喰ってかかってくる勢いで言ったそうですが、震えながらAにこういったそうです。

「・・・あいつ、今日の昼の12時に死んじまったんだ・・・」

Aも非常に驚き、訳が分からなかったそうです。そのあとタイミングよく電話がすぐなってきたみたいなのですが、二人とも恐怖で震えあがったそうです。

鳴り止まない電話に意を決したBがすぐさま受話器をとりました。

「・・・も、もしもし?」

「あ、お兄ちゃん?ひどいよ、なんで私のこと無視するの?」

「・・・お前、今どこにいるんだ?」

「いるでしょ!私、今家にいるよ?昨日から家にいるんだよ?話しかけても返事してくれないんだもん、ひどいよ!」

ここでBは受話器越しに泣き伏してしまい

「・・・美樹、お前は死んじゃったんだよ?だから、行くべき所に行くんだ、いいかい?」

とBは泣きながら受話器を降ろしたそうですが、そのあと電話は一回も鳴らなかったそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 矢吹丈さん  

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