短編2
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ドライブからの

彼女とドライブをしていた時の話

「やっぱりドライブは知らない道を走らなきゃダメ」

そういう彼女の言葉通り知らない道を突き進む

一時間ほどたっただろうか。市内からは出ていないと思うが、今どこを走っているのか全くわからない

俺(そろそろ帰りたいんだけどな……)

そんな俺の思いとは逆に、彼女はかなりご機嫌で俺に話しかけてくる

彼女「でねでね!こう部屋があって……」

彼女は喋りながら手を忙しく動かしている。どうやらジェスチャーで俺に部屋の間取りを伝えたいようだ

彼女「もう!ちゃんと見てよ!」

当然、運転中の俺はチラチラとしか彼女の方を見ることが出来ない

彼女「ちょっと止まってちゃんと見て」

俺「車寄せれそうなとこがないんだよ」

彼女「この道なら寄せなくて平気じゃない?」

言われてみれば、前からも後ろからも暫く車が来たのを見ていない

俺「はいはいわかったよ」

そう言って俺は道の真ん中で車を止めた

彼女「どこまで言ったっけ?そうそう部屋がこうあってね」

再び彼女は手で俺に部屋の間取りを伝えようとしている

俺「うんうんそれで?」

適当に相づちをうちながら、俺の頭の中は後悔でいっぱいだった

彼女の話も動きも全く頭に入ってこない。俺の意識は視界の右端に集中

車の右横でシーツを被ったような白いナニかが、ゆらゆらと揺れている

少し視線を向けるだけでなんなのか見ることが出来るはず……しかし、俺は視線を向けることが出来ない

彼女「聞いてないでしょ!?」

突然の大きな声に驚き、俺は我に返った

俺「いや聞いてるよ。とりあえず車だすわ」

俺は急いで車を走らせる

彼女が横でわめいているがそれどころではない

俺(どこだここ!?)

俺は必死に標識を探す。だが、見つけた標識は全てかすれていて読めない

俺「全然わからん!」

思わず声に出してしまった。すると彼女が極めて冷静な声でこう言った

彼女「ねぇ、ここって○○のところじゃない?」

俺「は?えっいや、そうなの?」

彼女「うん絶対あってるよ。次を右に行って」

彼女のナビに従い暫く行くと、俺にもわかる大きめの道に出た

彼女「ね?あってたでしょ?」

俺「あぁ、ありがと」

彼女「てゆうかMの態度さっき凄い感じ悪かったんですけど……」

俺「ごめんな」

俺は謝罪の言葉を口にしながら、さっきのことを彼女に伝えるかどうか悩んでいた

続く

怖い話投稿:ホラーテラー Mさん  

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