夜中、電話の呼び出し音で目が覚める
寝惚け気味に携帯へと手を伸ばす
もしもし?
ツーツーツー……
少し遅かったようだ。俺は着信履歴を確認する
080-****-****
知らない番号だ
ここ一年で4台の携帯を水没させた(今は防水)俺に知らない番号からの着信は珍しくない
俺はすぐにかけ直すが今度は相手が出ない
用があればまたかけてくるだろう
そう思い、俺は携帯を閉じた
だが、なにか気になる。俺はもう一度携帯を開いた
携帯の画面には新規着信1件の文字
不思議に思いながらも着信履歴を見る。留守番サービスからだ
俺はすぐに留守電を聞いてみた。お決まりの音声の後、再生が始まる
…………
無言。いや、正確にはなにか声が入っているのだが、携帯から離れて喋っているようで、小さくてとても聞き取れない
俺はまだ覚醒しきってない頭で留守電を聞き続ける
……おかしい。もう3分も再生され続けている
気味が悪くなり俺は再生を止めた
携帯の画面には再び新規着信1件の文字
俺はそのまま携帯を閉じ眠りについた
翌朝、携帯を開くとそこには着信が30件。全て留守電になっている
俺は履歴を全て消去した
その日の夜、俺が車を走らせているとポケットの中で携帯が鳴り出す
確認すると昨晩の番号だった
俺はコンビニに車を止める。相変わらずポケットの中では携帯が鳴っている
俺は恐る恐る通話ボタンを押した
もし……
アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
馬鹿デカイ声で女が笑っている
全身の毛が逆立ち、寒気を感じた瞬間、俺は携帯を地面に叩きつけ、バラバラになるまで踏み続けた
その後、俺は番号を変えて新しい携帯を持った
あれ以来知らない番号からの着信には敏感になっているが、今の所おかしな電話はかかってきていない
特に俺自身になにかあったわけではないが、二度とあの笑い声は聞きたくないと思う
怖い話投稿:ホラーテラー Mさん
作者怖話