短編1
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苦手

私は刺されて間もなく視界がぼやけるのを感じた。外側から中心に向かって、闇が覆いかぶさってくるような感じ。不思議と痛みはなかったが、立っているのが困難で今にも吐きそうだった。

(もうだめだ…)

すぐ近くの人に助けを求めた。視界が真っ暗になる寸前。

「大丈夫ですか?!いま運びますからね。私の声聞こえますか?」

ちゃんと聞こえてた。うまく返事はできなかったけれど。目も見えなくて、なんだか声も出しづらいのに、まわりの音だけははっきりと耳に届いてた。

(死ぬときってこうなのかな…)

一瞬、頭をよぎる。

それからおよそ5分後。

保健室のベッドの上で嘘のように楽になっていた!

健康診断の採血のあと、初めて貧血になったときのことである。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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