短編2
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白い女の人

これは俺が小学四年生、兄貴が六年生の時の兄貴の同級生の女の子のMちゃんの話です。

夏休みになり、兄貴達六年生が臨海学校という事で、二泊三日で神奈川県のある海に行きました。

海では、本格的に泳ぎの練習したり、遊んだりしていたそうです。

Mちゃんとその友達何人かは、夜になると当然、枕投げをして、就寝時間には先生が見回りに来るので、布団に入り、怖い話をしよう!という事になって、枕を寄せて、怖い話で盛り上がっていたそうです。

すると、Mちゃんが少し青ざめた顔で、

「みんな聞いてくれる?

アタシの怖い話は…今日起きた事なんだけど……

実は海でみんなで遊んでるときに沖の方に白い髪の長い女の人がずっーとこっち見てた……みんなの方を見たら、夢中で遊んでて気付いてないのか、見えてないのかわかんないけど、アタシにしか見えてないみたいだったの……また、女の人の方をみると、さっきより近付いてて、そこで気が付いたの…アタシだけを…見てる……怖くなってダッシュで砂浜まで戻ったら、女の人いなくなってた…」

『そ…それ…マジでヤバくない?!』

と友達が言い、みんなキャーキャー言いながら、騒いでいると、Mちゃんが

「うっそー!そんな事ある訳ないじゃん…うるさくしてると先生来ちゃうよ!!」

と言い、みんなも『なんだ作り話かぁ』と海で疲れたせいか、すぐに寝てしまいました。

臨海学校から地元に帰って来た数日後、Mちゃんを含めた仲のいいグループは、近くにある地獄谷とこの辺りでは呼ばれる川へ遊びに行きました。

地獄谷とはいっても、子供だけでも遊べるような、流れの緩やな川です。

みんな仲良く川に入り遊んでいました。

すると、友達の一人が、

『?あれ…Mちゃんは…?』

後ろを振り向くと流れが遅いのに、物凄い速さで下の方に流されていくMちゃんが…

そこで、友達全員あるものを見て固まってしまいました。

右手でMちゃんをつかみ、左手で「こっちにおいで」と言わんばかりに手招きをしながら、こっちをニターッと見ながら笑っている白い女が…

みんなはMちゃんの家にすぐ行き、Mちゃんのお母さんにこの事を話し、M母は警察に娘が流されたと連絡し、警察と地元住民による捜索が始まりました。

が…捜索も虚しく、数日後に数十㌔離れた場所で

腐乱し、魚に所々食べられた見るも無惨な状態で発見され、死因は溺死と判明したそうです。

その後、哀しみの中、Mちゃんの葬式が行われ、兄貴も参列しました

兄貴の話によると、

Mちゃんは白い女に殺された。

白い女は臨海学校の時にMちゃんが話した事が事実で、そのまま地元までMちゃんに憑いてきたんだ。

それから、地獄谷では大人も子供も遊ばなくなりました。

本当にあった話です。

怖い話投稿:ホラーテラー 野球少年さん  

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