中編3
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夏の思い出+完

続き…

とりあえずあの寺にいってみるとしよう。

懐中電灯とインスタントカメラと例の角?見たいなものをリユックに詰めて、出発の準備を済ませる。

『いってきます』

自転車にまたがり、ゆっくりと走り出す。

20分ぐらいの道のりを汗だくになりながらペダルを漕ぎつづける。

段々とあの寺へと近づいていく…

10メートル…

8メートル…

5メートル…

2メートル

キィッー

夜中に来るのは流石にヤバいと思い、昼にきたのだ。

『昼でも十分こえぇ〜よ』

一歩ずつ寺の敷地に入っていく。

ガサガサッ…

『うわっ』

毛並みの汚い野良猫がどっか走っていった。

寺の中は昼でも真っ暗で、懐中電灯が必要になってくる。

『俺が行かなかった方だから…こっちだよな』

ギシギシ…ギシギシ

床が今にも抜けそうな感じだ。

その部屋に入ると

大きな兎の銅像見たいなのがあった。

そして、その兎の額の部分に先が折れた角があった。

『これ、まさか』

リユックからあの封筒を取り出し、角を取り出す。

その角を、兎の角の折れてる部分に合わせてみた。

『なんだよ何も起きないじゃんか』

角を兎の足元に置いて立ち去ろうとした。

ペタッ…ペタッ…

変な足音が聞こえる。

ペタッ ペタッ

怖くて後ろを振り向けない自分がいる。

ペタッ ペタッ

足音が段々近づいてくる。

『うわぁぁあぁ』

叫びながら逃げる。

なんだよこれ…

ありえねぇ

急いで自転車にまたがり超特急で家まで飛ばした。

ハァハァハァ…

お母さんが

『さっき亮佑くんから電話来てたわよ』

そんなハズはない

亮佑は今朝死んだはずだよな

『早く電話かけてあげなさいよ』

頭の中が混乱して、もう何も考えれなくなっている。

ピンポーン

ピンポーン

誰だよこんな微妙な時間に

たねきの置き時計は2時36分を指していた。

ガチャッ

『なんで…』

そこには下を向いたままの亮佑が立っていた。

『角…角…角』

亮佑が呟く

『は?意味わかんねぇ』

すると後ろから三人出てきて亮佑も顔を上げて。

『HAPPY BIRTHDAY!さかじぃ』

ヒュー

イェーイ

等連呼してるが

意味が分からなかった。

そっか俺今日誕生日だったんだ…。

『つかお前自転車こぐの早過ぎなんだよ(笑』

そっか今日俺誕生日だったんだ…。

みんなへの怒りしか残らなかった。

『お前らぁぁぁあ』

『そんな怒んなよ…なぁ?』

二ヶ月前からこのサプライズを考えてくれたらしい。

つか、リアルすぎだっつぅの。

『今日はみんな、うちでご飯食べていくでしょ?』

母親が皆に問う、

『はい!!』

正直、帰ってほしかった。

まぁでも正直こんな誕生日は一生で一回もないかもしれない。

そんな機会を作ってくれたことには感謝してる。

パーティーも落ち着きだし

みんなからプレゼントをもらった…

亮佑からはデカイ箱をもらった。

なんだろこれ?

中からあの例の角がでてきた。

正直、殺意が芽ばえた。

後日…

聞いた話によると。

ペタッペタッて足音は誰のものでも無く。

リアル幽霊だったことがわかった。

おしまい。

怖い話投稿:ホラーテラー 猿飛さん  

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