さきほどは、助かった患者様の話を書きました。
今回は助からずに亡くなった患者様の話。
全身火傷の患者は、決して多くはないが、冬場は他の季節に比べて増加する。
夏場のバーベキュー等の事故は、さほど重症ではないことが多い。
冬場の全身火傷、それはガソリンや灯油による自殺患者だ。
人間、寒いときに最期に暖まりたいものだろうか?
その理由は分からない。
火傷は、医学用語で『熱症』と言い、全身の何%が侵されているかで、だいたいの予後が決まり、その深さは軽い順に、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度で示される。
例えば、『全身50%熱症、うち20%はⅢ度、残り30%はⅡ度』というように。
もちろんMAXは100%。
だが、実際にS医療センターで100%熱症を見た医療従事者はいなかった。
何故なら、
どんなに灯油を被って、
火をつけても、
必ず、
どこかは燃えずに、
残っていたから。
例えば、
頭から被った場合は、
足の裏だけ綺麗なまま亡くなっていたり、
というように。
だから、100%熱症患者は、私も見たことはない。
怖い話投稿:ホラーテラー 看護師Kさん
作者怖話