現在私は夫と2人で賃貸アパートに暮らして2年になります。
私の住んでいるアパートは二階建て四世帯のみの小さなアパートで(アパートの表現でいいのかな?)
築10年の比較的新しく綺麗な建物です。
結婚するまでは実家の古い家に住んでいたので、どうしても綺麗な洋室(フローリング)のアパートに憧れてしまい、家賃は少し高いのですが新たな人生のスタート拠点をこの場所に決めました。
アパートの住人は、私達夫婦が1階102号室。
お隣の101号室には30代半ばの女性の方(OLさん)が1人で住んでいます。
2階の202号室と201号室の両方に夫婦が住んでいます。
前置きが長くなってしまったのですが、本題はここから。
特に家で怪奇現象なども起こらず、雰囲気も新築に近い清々しい感じで、日当たりもバッチリなのですが…
何故か2階の住人だけが、ここ2年間で7回も住人が入れ替わっているのです。
だいたい半年に一度のペースで引っ越してしまいます。
大家さんも良い方だし、治安も良い…
比較的新しい建物ですし、土地柄も曰わく付きとゆう話も聞いた事ないので、何故そんな頻繁に入れ替わるのか不思議でたまりません。
最初は「きっと新築一戸建てでも建ててる間の繋ぎだったんじゃない?」とか旦那と話してたのですが、あまりにも頻繁に入れ替わるので、4回目に引っ越し業者が出入りしてるのを見かけた辺りから、さすがに何かあるのでは…?
と疑いはじめていました。
なにしろ、お隣の女性は私達より前から住んでいるので、2階の二部屋だけ入れ替わりが激しいのです。
ある日、出て行く為の引っ越し作業中に少しやつれ気味な奥さんが外にいたので、少し世間話を交えながら思い切って聞いてみました。
理由は、昼夜問わず窓の外から誰かに覗かれると言うのです。
2階なのに。
あまり話したくなかったのか、その話をさけようとしているみたいだったので、それ以上の話は聞けず、幽霊なのか変質者なのか…何とも後味の悪い感じで話が終わってしまいました。
1階の各部屋にはシャッターが付いているのですが、2階にはシャッターがなく、対策はカーテンを閉めるぐらいしかないのが更に追い討ちをかけていた様です。
何故2階だけ?と疑問には思っていたのですが、我が家では本当に何事もなく、むしろ居心地の良いくらいの日常に慣れ、引っ越しの多い2階の事もその内気にならなくなりました。
しばらくして私の祖母が初めて遊びに来る事になり、到着して家に入ると…開口一番に言うのです。
祖母「ここには家神様がいてくれてるみたいね。新しめな建物の賃貸だと聞いてたから、まさか家神様がいると思わなかったわ。」と嬉しそうに言うのです。
私「家神様って何?何か見えるの?」と興奮気味に聞くと
祖母「見えるとか、そうゆうもんじゃなくてね。昔から家神様がいる家は、家に入った時の空気が独特だからすぐ分かるの。
昔は家神様のいる家が沢山あったけど、最近はほとんど見かけなくなったからね。分からないのも無理はない。」
私「へ〜…なんだか分からないけど良い家って事なのかな?」
祖母「家神様は悪い流れを家に近づかせない様に守ってくれる有り難い神様なのよ。ただ、運が良くなるとか、病気を治すとか、事故から守るとか、火事や地震とかから守るとか…そうゆうもんじゃないからね。普段気づかない様な悪い気から守って下さるんだよ。今の人には難しいかね。魔除けみたいなもんだ。」と言って笑ってました。
そして、祖母いわく「家神様のいる家には、白い蛇だとかデカイ蜘蛛だとか縁起の良い生き物が棲んでる事が多いのよ。だから、むやみに虫やら何やら殺したらいけないよ。何が家神様だか分からないからね。」
思い返してみたら、越してきてから虫は全然出ないのですが、家の外の壁やら窓に白いトカゲがいるのをしょっちゅう見かける事がありました。
決まって1階付近にいるので、トカゲも高い場所は苦手なのかな?と思いながら、こんな都会に白いトカゲが珍しかったので写メを撮ったりして旦那と縁起がいいね〜などと微笑ましく思っていたのです。
きっと家神様がいるから1階は何者かに覗かれる事がないのかもしれません。
同じ建物なのに、2階は家神様がいないのが不思議ですね。
皆様の家にも、気づかないだけで、実は家神様がいるかもしれませんね。田舎とか都会とか新築とか昔ながらのとか関係ないみたいですから。
長々と読んで下さりありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話