短編2
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貸部屋

俺は、先月引っ越しを

したんだが、

引っ越した理由は

やたらと出るからだ。

その部屋は、

当時、仕事に追われ、

まともに部屋探しの出来ない俺に不動産屋が、

敷金、礼金安くするからと言って、薦められた物件だった。

場所は都内で、下町。

綺麗な1LDKで家賃は、

割りと高かった。

部屋も中々見つからず、 面倒臭くなっていた俺は、その部屋を借りる事にした。

最初の異変は夜中に、

下の階のドアを、誰かが 壊れんばかりに、蹴りまくる音だった。

たまりかねた俺は、

寝起きの 短パン一丁で、下の階まで走った。

すると、ある部屋のドアを、長い髪を振り乱して、半狂乱の女が、ドアを 殴っている。

『うっせーよ!』

と言うと、

女は、俺を睨み付け、

『ギィ…………』

と、声にならない声をだし、また一心不乱にドアを、殴りだした…

気味が悪くなった俺は、 部屋に戻り、 翌日 不動産屋に問い合わせたが、 その部屋は空室だし、

俺以外に苦情の電話は来ていないとのこと…

深夜に、あんな激しい音で、苦情を出さないなんておかしい… それからも、たびたび その音は聞こえてきたが、 シカトして生活した。

そのマンションは、子供も、ペットも禁止なのだが、 オートロックを抜けた、階段の脇に、

毎日のように 雨ガッパを着て、深くフードを被った、4~5才の男の子が立っていた。晴れの日も雨の日も。

特に害はなかったので それも、気づかないフリ…

ある日、彼女とリビングでくつろいでいると、

いきなり部屋の電気が落ちた。

俺は、玄関にあるブレーカーを上げに、リビングを離れたら、

『きゃぁぁぁぁあ!!』

と、彼女の叫び声…

慌てて、戻ると、

後ろから髪の毛を、思いっきり引っ張られたと、 泣いている。

ブレーカーも、上がっていたので、

停電だろうと思い、

暗い部屋で、彼女を慰めていたら、

いきなり 部屋の電気が 復活。 その瞬間、俺の 視線の先には、

血だらけの女が、

逆さまで、天井からぶら下がっていた…

彼女の方を向くと、

彼女は全く別の方向をみて、放心状態。

彼女の視線を追うと…

キッチンの天井の隅に、 四つん這いに張り付いた、裸のミイラのような女がいて、顔は180度こっちに向いて笑っている。 俺は、彼女の手を引っ張り部屋を出た。

その後、部屋は解約し今にいたる

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名係長さん  

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