中編4
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イタコさん

この話は、何度かお世話になった事のある、

恐山で修行をしたイタコさんから聞いた話である。

私が13才の頃、

2つ下の従兄弟が、

近所に流れている小川に、小便をしてしまい

水神様の怒りに触れ、

何日も原因不明の高熱に悩まされ、

初めて、そのイタコさんにお世話になりました。 女性の方で、年は60才ほどでした。イタコさんのおかげで、 従兄弟の熱もウソのように下がり、

幼かった俺は、イタコさんに聞いてみました。

俺『今までで、一番恐ろしい体験ってなんですか?』

イタコさん

『…うん。毎回、多かれ少なかれ、恐怖は感じますよ…。』

俺『う~ん…( ̄3 ̄)一番怖かったのは…?!』

イタコさんは、

苦笑いをして、一口お茶をすすり、話だしました。

以後、イタコさんの話になります。

イタコさんが、

イタコを志したキッカケは、やはり物心ついた時から、人には見えない物が見えていたらしく、

周りの勧めもあり、修行の道に入ったそうです。

修行を終えてから、

悪霊などに悩まされている人達 相談を受ける

日々を送っていたある日、いつものように

イタコさんのもとへ、

一人の女性が相談に来ました。

一見、端正な顔立ちの

美人さんでしたが、

その顔に生気はなかった。 しかし、その女性を霊視してみるものの、

特に、何が見える訳でもなかった。

イタコさん

『一体どうされました?顔色がすぐれませんね?』

女性は、イタコさんに

今起きている全ての事を話しました。

町で、一人の男の子を見かけた女性は、時間も時間だったので、迷子が家出かなと思い、声をかけたそう…

女性

『どうしたの?お父さんお母さんは?』

男の子

『………………』

男の子は、返事はせずに、ジッと女性を見つめたままで、不気味な笑みを浮かべた。

少し気味が悪く感じた女性は、

『早く帰りなさい…』

と言い残し、その場を後にした。

家に帰り、玄関を開けた女性は、我が目を疑った。 部屋の奥にさっきの男の子がいたからだ。

鍵はちゃんと閉めていた。 その時に女性は、

この世の物じゃないと気付いた。それからというものの、昼夜とわず

男の子は女性に着いて周り、何をするでもなく

ただ女性を睨んでいた。

ただ、一つ変わっていたのが、日に日に男の子の身体、顔が、

黒くなっていく。

顔も日に日に、恐ろしくなっていったそう…

その話しを聞いた、イタコさんは、首を傾げた。

『…あなたからは、そういったものは、感じられませんが…その子はいくつ位?』

『…ゴサイダヨ…!』

その時、イタコさんの

耳のすぐ後ろから、

声がした。 慌てて振り返ったイタコさんは、

ようやく、その悪霊の姿を目にした。

かろうじて人の子とわかる姿…

『なるほど…今回はちょっとやそっとじゃ、いかないかな…』

『あなたは、この人(女性)の子供ね?生まれていれば…』

男の子

『…ソウダ…!!』

イタコさん

『何故、この人をくるしめる?』

男の子

『ソノオンナハ…、ボクヲ… サンドモ コロシタ…!』

男の子の顔はみるみる怒りに満ちていき、

危ないと感じたイタコさんは、経を読み始めた。

すると、 男の子は不適な笑いを浮かべ、

『サンドトハ、イカズモクルシメ…!!』

と言い放ち、姿を消した。

女性は、異性関係にだらしがない性格だったらしく、まともに避妊もしておらず、最初の子供を中絶した。その子は輪廻し、再び、その女性の元に生まれたいと強く、願い 女性は、再び懐妊した。 だが、女性はその子を またしても生むことはなかった。結果、女性は三度の中絶をしていた。

その子の悲しみは、強い憎しみとなり、悪霊に変わった。無数の霊魂を、取り込みながら、その憎しみは膨れあがり、

女性を祟ったのだ。

汚れを知らない、

その子の純粋な心は

強い純粋な憎しみであり、他の悪霊とは比べ物にならない力を持っていた。もはや神に近い力を持っていて、髪のように静める事も難しい。

イタコさんは、女性を

一室に案内し、協力な結界を結んだ。

イタコさん

『解決策を考えます…あなたは、しばらくここから出てはいけない。あの子は、次々に周り悪霊を取り込み、あなたの命を奪いに来るでしょう…私はあなたを全力で守ります…しかし、あなたのした事は、決して許され難いこと…それを一生背負って生きなければなりませんよ…』

女性

『…はい。本当に…申しわけありません…』

ボロボロと涙を流す、女性を部屋に残し、

イタコさんは

部屋を出た。

もう少し続きます

怖い話投稿:ホラーテラー SNAPさん  

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