短編2
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夏休み

3年ぐらい前の

中2の夏休みの出来事

夏休みといっても

基本的に毎日部活がある

集合時間までには

学校がある日よりも

30分遅く家を

出発しても間に合う

いつも通りに

8時5分ごろ家を出た

何も変わらない日常

強いて言えば

少し暑かったと思う

住宅地を抜け、公園を通り

大きな通りに出る

長い橋を通り

ふと、下を見る

巨大な岩がある

それだけじゃない

岩の上に誰かいる…?

制服を来た女の人?

おかしい

毎日通っている

昨日も通った

こんな巨大な岩があったら

気づかないわけがない

それに誰だ?

見た事ない制服だった

汗をかいてた身体には

鳥肌が立っていた

凄い速度で自転車をこぎ

橋と橋の下を

見渡せる場所まで来た

上から見ても

大きいと感じた岩

とてつもなく大きい

そしてどう登ったのか…

やはり制服の女の人が

頂上に座っていた

まだ朝の8時

恐さより不気味さが

勝っていた

学校にはぎりぎりで着き

部員に話す時間などなく

あっという間に部活は終り

帰宅する時間になった

その頃にはもう朝の事など

忘れるくらい疲れていた

橋の近くに行ってから

思いだし、顧問を恨んだ

行ってからというより

見てしまい、思い出した

朝とまったく同じ風景

岩も制服の女の人も…

もちろん全速力で

駆け抜けた

いつも30分はかかる道を

20分もかからず

帰ってきて

疲れきっている私は

家のソファーで寝ていた

仕事から帰ってきた

母に起こされ

一緒にご飯を食べた

その時に今日の話を

詳しく話した

母の顔は強張った

母は急に祖母に電話をかけ

父にも電話をした

母と祖母と父の前で

また詳しく話した

皆真剣に聞いていた

今日の出来事よりも

不気味なくらいに…

そして話が終り

父が口を開いた

父の同級生の女の人が

橋の下の川で自殺をした

という事だった

疑うも何も

父のクラスの人で

クラスでも浮いた存在

つまり

イジメの対象だったらしい

女の人の正体はわかった

しかしあの巨大な岩は?

正直、女の人よりも

あの巨大な岩が気になる

次の日

いつものように部活へ

橋を通って行った

何もない

いつも通りの風景だった

怖い話投稿:ホラーテラー 山田さん  

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