短編2
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とあるクラスの舞台裏

高校生だった頃の話。

俺の所属していたクラスは全体的にみんながみんな妙に仲が良く、知る限りに険悪なものは三本指で足りる程度。

人見知りな俺自身もそこそこみんなとは仲が良くて、クラス内に嫌いな奴は一人や二人ぐらいしかいなかった。

卒業するまで三年間ほとんど同じ顔合わせだった。

文化祭、俺は準備とかそういうのが面倒で毎年サボっていた。文化祭当日も終了まで校外で時間を潰しているぐらいだ。

二年の時にクラスで映画撮影する事になったんだが思ったより評判が良く一位をとれた。だからか、今回も映画を放映しようという事になった。

俺は今年も参加する気はなかったんだがクラスの連中にメッチャ強引に参加させられた。てめえらの友情ゴッコに俺を付き合わせるな、と内心唾を吐いた。

やる気のある奴だけでやればいい、という奴もいたがクラス全員でまとまってやるからこそ意味がある、とリーダー的な奴はいう。

俺みたいなはみ出し者がいる時点でまとまりもクソもねえだろうよ。実際クラスの半数、男子は少数女子の半数以上はやる気ねえし。

俺はとんだクソ野郎だろう。

完成してクラス内でお試し放映をしたものを見て、確かに結構面白い出来に仕上がっていたが最後の場面で評価はガタオチ。

クレジットの後、場面は暗くなりクラスの全員が画面を見上げて映る。

そんでリーダー的な奴が、

『三年--組最高っ!』

なんて言って、クラス全員から黄色い歓声があがる。

画面の右端にいる俺までもがバカ面さげて叫んでやがる。

とんだ茶番だよ、まったく。

この中に俺のように考えていたのは何人いたか。俺だけかな?

文化祭当日、俺は途中までスタッフをこなし途中から校外に抜け出した。

投票の結果、うちのクラスは一位。

とんだ青春モノだよ、まったく。

やっぱ俺がおかしいのかな?そう思ったらマイナス評価をお願いしたい。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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