中編3
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僕は部屋の中

こぴぺ

朝が来て、悪臭と汚れた部屋の中、僕は目が覚め時計を見る。

視界がぼやける…

僕は目を凝らす…

午前6時。

だったが…

すぐさま一秒、また一秒と、

時刻は午前6時から午前7時へと向かう。

僕はまだ狂ってはいない。きっと…

一日は始まったばかりだが一日の始まりを感じることはない。

何も考えず、

………

何も考えない。

当たり前に時間が過ぎ、午前7時を過ぎると、下の階の住人も起き出し、耳を澄ませると生活の音がする。

僕は耳を澄ます…

朝食をつくる音。

テレビの音。

慌ただしく支度をしているかのような足音。

下の階の住人が出掛けたら、僕は現実に目を向けてみる…

僕はまだおかしくなっていない。

そっと自分の手を見る…

自分の手を見ると僕は泣きそうになる…

人間の部分で手は大事だ。

大事な手だからこそ、僕は自分の手を見ると悲しい気持ちになるんだ。

でもまだ僕の頭は正常…だ。

正常だから考えてしまう。

この先のことを…

でも考えたくない…

もう足は動かない。

動かないんだもの…

それならばまた寝てしまおうか…

そうだ。寝よう。

もしかしたら幸せな夢を見ることが出来るかもしれない。

僕の今の唯一の楽しみだ。

現実逃避…

その通り。

みんなは僕の生活をどう思う…?

寝てばっかりで嫌いな勉強もしなくて良いんだよ。

僕は目を閉じる。

過去の楽しかった記憶を探して、

そんな夢が見れますように、と祈る。

だがそんな祈りもむなしく、僕はとっても恐ろしい夢を見る…

夢は学校の友達と遊んでいるところから始まる。

僕の家はどちらかと言うと厳しいほうだ。

僕は友達よりも早く帰って、塾へ行かなければいけない。

僕は塾に遅刻しないように、家に早めに帰り、今度は塾へ行く準備をする。

塾の先生もとっても厳しい。

遅刻をしたら、ひどく怒られるだろう…

僕はひとり、遅刻しまいと塾へと向かう。

そして時間通りに塾にたどり着くのだが、塾に入る手前、僕は違和感を覚える。

塾の鞄がいつもより軽い。

不安になった僕は、鞄を開け、中を確かめる。

塾の教科書が入っていない…

持ってくるのを忘れてしまったんだ。

先生に怒られてしまう…

怒られるのはいやだ。

今日の授業はサボってしまおう…

僕は本来なら授業を受けている時間、日が沈み暗くなってきた道をひとり歩いている。

コツ、コツ、コツ…

静かな道に自分の足音が静かに響く…

コツ、コツ、コツ…

塾から家に電話が入ってたらどうしようか…

コツ、コツ、コツ、ガッ、ガッ

言い訳を考えなきゃなあ…

ガッ、ガッ、コツ、コツ、ガッ、コツ、ガッ…

後ろから誰か早足で近づいてきてる…

ガッガッって足音。

雑な足音。

ガッ、ガッ、ガッ、ガガガガガガッ!!!

ドンッ!!!!

鈍い音ともに僕は気を失う。

何者かに急に背後から殴られ、気を失った僕はこの部屋で目が覚めるが、

夢はまだ続いている。

夢の続きはこの部屋でこの素性の分からない男にひたすら拷問を受けるというものだ…

拷問が終わると僕は夢から覚めた…

体中から汗が尋常ないほど吹き出している。

夢から覚めても現実は変わらない。

骨折して腫れ上がった足とベッドの足にくくりつけられた鎖…

目の前にある切断された自分の手…

自分の血や排泄物で汚れて悪臭が立ち込める部屋…

殴られすぎて、視力も低下した自分の目…

異常な誘拐犯の獲物になった僕…

いっそ狂ってしまったほうが楽になれるかもしれない…

時計はまだ午前11時…

まだ狂ってない。

大丈夫…

だが

夜になればまた拷問が始まる…

一秒一秒、夜に向かって時計は残酷に時を刻む…(終)

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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