続きです。
A「どちらさまですか~?」とドアスコープを覗く。誰もいないらしい。
Aは、かなりびびってる様子だ。
数分後、お約束のようにインターホンがなる。私の出番だ。ガクブルする足をこらえながらスコープを覗きこんだ…
ヒッと小さな悲鳴を上げた。 何かがいる…女性だ…目が合う……
……なぜだろう……怖くない…悲しそうなその瞳に恐怖を感じなかった。
私はAの所に戻り、たちの悪いイタズラだねっ
ピンポンダッシュは久しぶりだねっとふざけてみせた。
その日は、いろんな不思議な事がおきた。人の気配を感じまくり、ラップ音がとまらない…などなど。
0感の私にとって有り得ない日だった。
原因は次の日、朝の地方ニュースで知ることになる
キャスター「昨晩、○○町の山道で交通事故が有り……
急カーブを曲がりきれず…… 男女2人を乗せた普通自動車が、ガードレールを突き破り20メートル下の崖に……
女性は即死。男性は意識不明の……
先ほど搬送先の病院で……」
やってしまった…
事故現場、まさに帰りの山道。時間からして事故直後で間違いない。
昨日の不可解な出来事は、亡くなった女性がまだ息のある彼を助けて欲しくて…愕然とした。
涙がとまらない。
息が苦しい。
悲しげな彼女の目を思い出す。
なんで気づいてくれなかったの…
そう訴えてた。
あの時、発見出来ていたら彼は助かっていたのだろうか。
あの車通りの少ない山道で彼女のメッセージに気づかなかった。
今は後悔しか残っていない。
怖い話投稿:ホラーテラー ひなっぺさん
作者怖話