短編2
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守りが強い男

友人の息子は見えるらしい。

友人が家族とレストランに行った。

そこは大きなガラス窓から木々が見えるレストラン。

席に案内されるとすぐに「ねえ、ここ怖いよ。」と幼い息子が言いだした。

友人「何が?」

息子「覗いてるんだもん。」

友人「誰が?」

息子「首だけの人が。」

友人「どこ!?」

息子「あそこの窓の外。」

友人の息子の視線は、大人が背伸びしても届かないような天井近くの窓だった。

冗談だと思った友人は、バイキングの料理を選びに席を立った。

「見ちゃだめだよ。」

「うん。」

奥さんと息子が後ろでささやいていた。

奥さんが病院で会計を待っていた時の事。

息子「ママがお注射(採血)した部屋、黒いモヤモヤがいたよ。」

奥さん「どこに?」

息子「先生の腕の所。」

奥さん「人?男?女?」

息子「顔は見えないけど、男!」

奥さん「顔見なくても分かるの?」

息子「うん。男。」

奥さん「それで、どうなったの?」

息子「先生の体に入って消えちゃった~。」

奥さん「・・・・・」

友人家族が知り合いの霊能者さんに会った時の事。

息子を見るなり

霊能者さん「この子、強いね~!!」

友人「えっ?」

霊能者さん「霊感も強いけど、守りが強い!」

そう言うと息子の首のうしろ辺りを見て

「あぁ、閉じてる。息子さん安心だ。」

と不思議な事を言われたらしい。

息子の写真にはオーブが頻繁に写るのだと写真を見せてもらった。

決まって親族が集まっている時。

楽しそうな祝い事の時。

何枚もの写真に写ったオーブは、嬉しくてその場に来てくれたご先祖様だという。

しかも息子の存在あってこその現象らしい。

守りが強い男は毎日元気に幼稚園に通っている。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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