短編2
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その男

自分の話。

その日仕事だった俺は(23時から7時までのドライバー) いつも通りマイカーで通勤していました。

途中、踏切を渡るんだけどその踏切は自殺が多くて地元じゃ有名な場所。

んで、その日も普通にその踏切を渡ろうとしたら踏切の手前に男の人が1人で立ってた。

遮断機も降りてないし何よりその人の異様な雰囲気からなんとなく「あ-、あの人死ぬのかなぁ」なんて考えながらもまぁ普通に仕事に向かったわけ。

でも仕事中も男が気になって「もし死んでたら俺が最後の目撃者かな。。。」とか考えたりして、そんな感じで暇だったせいもあってか6時には仕事が終わり、帰りにその踏切に行ってみる事にした。

すると案の定、踏切には電車が止まっていて、警察、人だかりが出来ててとてもじゃないけどマイカー通勤の俺が近寄れるような状態じゃなかった。

一先ず家に車を置き、歩いて見に行く事にした。

人だかりを押し退け立ち入り禁止区域の最前線まで来た。

踏切まで50m位はあって状況は分からなかったけど、男の人が立ってた場所に小さな白い山みたいなのがあったのが見えた。

ちょうど盛り塩みたいなそれは、タバコの吸殻でした。

きっと何度もためらって、終電を逃し、朝まで死ぬのを待ってんだろう。

一通り確認した俺はその後帰ってオナニーして寝た。

次の日友達から聞いた話だとその男は中学の時の先輩だと。

それを聞いたらショックでしばらくはその事しか考えられない日が続いた。なんせ同じサッカー部で良くしてもらった仲の良い先輩だったから。

あの時気付いて声を掛けてあげられてたらもしかしたら。。。とかいろんな事が頭をよぎり、仕事も手につかなかった。

しかしあの時見た先輩は当時の面影もなく、気付きもしなかった。気付かなくて当たり前だと自分に言い聞かせて生活してます。

それからその踏切は通ってません。

怖い話投稿:ホラーテラー キュンさん  

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