コックリさんの正体って…まさかの

中編6
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コックリさんの正体って…まさかの

小学生の時。流行りに乗って俺達仲良し4人組でコックリさんをやったら、

『○町公園の公衆電話の中入れ。そこでもう一度、私を呼べ。』

と指示された。一旦、コックリさんが鳥居に帰った事を確認し、素直に指示に従った。

季節は真夏。狭い電話ボックスに小学生(高学年)4人が無理矢理入り僅かな隙間でコックリさんを呼ぶ。

猛烈な暑さでコックリさんの紙は俺達の汗が滲んでいた。

『紙が汗で汚れたから来ないのかな〜』

俺が言った瞬間

ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ

公衆電話がけたたましく鳴り出した。

俺達はビビって全員ボックスの外に逃げた。

しかし公衆電話は鳴り続けている。

近所の人に見つかるとマズイ…。何故か悪い事をした気分になり俺は電話のベルを止める為にボックスに入り受話器を持ち上げ、勢いよく電話を切った。

ボックスの外では呆然とする仲間3人が俺を見ていた。

静まり返るボックスが妙に不気味で仲間の元に戻ろうとしたが扉が開かない。

何故だ。さっきまで普通に開いたはずなのに。

パニックになり勢い任せてドアを押す。するとドアのゴム素材で出来た接触部分に俺のTシャツの腰の辺りが挟まっていた。

キュルキュルキュルと嫌な音を立てているが、必死にTシャツを引き寄せなんとかドアが戻った瞬間

ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ

先程と同じく公衆電話のベルが鳴り響く。

救出の為に近付いた仲間もビビって走り去る。

その姿を見て何かが吹っ切れた。

俺は受話器を持ち上げ、今度はそっと耳に当ててみた。

『ザーッ…ザザー…ザッ』

ラジオのノイズの様な音がした。

電話に出た俺を見て仲間が戻ってきた。

ドアを開けるとノイズが消え

『ポッ…ポポッ…ポッ…ポッ…ザザー…ポッ…』

中年の男の様な低い声でそう聞こえた。

仲間一人づつに受話器を回し全員で聞いたが永遠に男の声が続いている。

俺はそっと受話器を置いて全員、顔を見合わせた。子供ながらに全員真っ青な顔をしているのが分かった。

『今のってコックリさんじゃね?』

仲間の一人が呟く。

全員の顔が更に青ざめた瞬間だった。

一刻も早く帰りたかったがコックリさんに再度呼ぶよう言ったのを無視すると呪われると言った仲間の一言で、公園内でコックリさんが再開された。

当たり前だが全員テンションが低い。

しかし何度呼んでもコックリさんは現れる事はなかった。

暗くなり始めたので今日は辞めよう。呪われる時は皆一緒だと、強引に言い放ち公園を後にしようとすると

ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ

公衆電話が鳴っている。完全に逃げ腰になっている俺達は電話からなるべく離れようと入りの反対側(行き止まり)に逃げてしまった。

なんだかさっきよりも激しく鳴っている気した。

俺達がしばらく黙って公衆電話を見ていると、大学生風の男が公園前を横切るところだった。

男は鳴り響く電話に気付き臆す事なくボックスへ入り受話器を取った。

俺達は固唾を飲んで見守る。

男は出てこない。ん?喋ってる。

遠巻きから見ても会話しているのが分かった。

男はしばらく会話をすると受話器を置き公衆電話を後にした。

俺達は男に駆け寄り呼び止めた。

俺『すみません。今公衆電話鳴ってましたよね?誰から掛かってきたんですか?』

男『電話センターからだよ。んん?君達か?イタズラしたのは?電話センターの人がお呼びでしょうかって言ってたぞ。』

俺『違います。…公衆電話って掛かってくる事あるんですか?』

男『公衆電話にも電話番号あるんだよ。だから電話センターに誰がかけてすぐに切ったんだろ。違うか。掛かってきたって言ってたぞ』

俺達『………………。』

それだけ言って男は立ち去った。

俺達はすっかり意気消沈し帰宅した。

それから夏休みが終わるまで俺達は遊ぶ事はなかった。まぁ宿題に追われていたのもあったんだが。

新学期が始まった早々、仲良し4人組の内、1人が転校する事になった。

引越す訳ではなく奴だけが離れた学校に通うと聞かされた。

学校は違えど家はそのままだからまたいつでも遊べると思っていたが、俺はあの日以来奴に会う事はなかった。

何度か3人で遊びに行ったが奴の母親に

『○○は今日遊べないの』

と暗い顔、いや…迷惑そうな顔されて追い返されていた。

自宅に帰ると俺の母親が

『○○君、受験するからこれからはもう遊べないって…○○君のお母さんから電話があったの。』

と言っていた。

その日、他の2人ね家にも同じ電話があったそうだ。

まぁもともと頭の良い奴だったからな。受験するって言われても不思議じゃなかった。

でも幼稚園からの付き合いだっただけにやっぱり寂しかった。

月日は経ち、俺達仲良し3人組は高校生になった。

全員別の学校だったが同じ町内だったから付き合いも途絶える事なく、相変わらず馬鹿はやっていた。

入学して間もなくの事、他の中学出身の奴から取り憑かれた同級生の話を聞かされた。

『○○小学校出身の○○って奴知ってる?あいつ俺がいた小学校に転校してきたんだよ。○○小学校ってお前の住んでる辺りだよな?○○はなんか取り憑かれてるらしくて、毎週休みになると○○県の山奥まで行ってお祓い受けてたらしいぞ。夏休み中に何かがあったらしいんだがそれは誰にも教えてくれなかったんだけど。てか呪いとかって本当にあるんかな?精神的なものだと思うんだけどな…まぁ〜そんなんだから友達もいなくてほとんど学校も来なかったよ。卒業式もいなかったから。今?さぁ〜。何処に行ったか知らないな。』

間違いなく奴の事だった。俺は何とも言えない気持ちだった。俺達と一緒にいれば今も仲良し4人組だったはず。なんであいつが一人ぼっちなんだよ。

俺は他の2人を呼び学校で聞いた話しをすると、今からあいつの家に行こう。という事になった。

あいつの家は住宅街の一番奥の家。遊べなくなって以来一度も足を運んでいない。他の2人も同じだった。

角を曲がって見えた景色が懐かしく思わず

『懐かしいな』

と3人で顔を見合わせた。

自然と歩みが早くなったが正面に見えたあいつの家を見て歩みが止まった。

雨戸が全て閉まっている。表札は無くポストの入口はは古びて埃まみれのガムテープで塞がれていた。

綺麗だった庭も枯れ果ててピカピカだった門は錆び付き、外壁には皹が入っていた。

『引越したか…。』

俺達の親は引越した事も知らなかった。

同じ町内とは言え、結構でかい町だったからな。俺達の耳まで入らない事もあるんだな。

『そういえば…コックリさんやった時の紙…あいつが持ってたよな。あれどぉしたんだろ…。あれで呪われたんかな…。』

俺は鳴り響く公衆電話の恐怖でコックリさんの事などすっかり忘れていた。

『そっか…あいつが持ってたんだ。』

あの頃より少し大人になった俺達だったが何も変える事は出来なかった。

今、俺は地元を離れとある地方都市で公務員をやっている。他の2人は地元でそれぞれ就職し、美人の奥さんとかわいい子供に囲まれ生活している。

盆、正月には今でも3人で酒を交わすんだ。

あいつもいればな…。

3人が別れ際に必ずいう言葉。

もし、あいつがここを見ていたら俺達が誰かわかるはず。

誰の家でもいいよ。俺(マサ)以外はあの頃と変わらず住んでいるから連絡欲しい。

俺、ここの作品読んでて思ったんだけど、コックリさんの正体ってまさかの八尺様じゃね???

受話器から聞こえたあの

『ポポッ…ポッ…ポッ…』

って…。

あいつは八尺様に魅入られたんかな…なんて思っちまったよ。

怖い話投稿:ホラーテラー ババババさん  

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