短編1
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脱出

目覚めると私は知らない場所にいた。

いや、正確には知らない場所かすらわからない。

薄暗いその部屋には見覚えがないように思えた。

少し時間が経つと、暗闇に目が慣れて、部屋の様子が見えてきた。

その部屋は六帖位の洋間で、出入りの為のドア以外に目立った物はなかった。

私はゆっくりと体を起こし、立ち上がろうとした。

しかし、立ち上がる事が出来ない。

足にはロープが巻かれており、自分の力では解けなかった。

私は立つのを諦め、この部屋から脱出する方法を考えた。

自分でも不思議だったが、パニックになる事もなく、非常に冷静でいられた。

まず私は、この部屋で目覚める前の記憶を思い出そうとした。

そうだ、私はこの部屋で目覚める前には友人と食事をしていた。

続く

怖い話投稿:ホラーテラー 紅天狗さん  

Concrete
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