短編2
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上京してきた友人

以前、高校時代の同級生Yが都内に遊びに来たときの事です。

12年振りに会ったので、あちこち飲み歩いて昔の思い出話で盛り上がりました。

Yは新幹線ではるばる上京したので、宿が決まってないそうで、

じゃあ、どうせ独り暮らしだし泊まって行けよと俺のほうから承諾して

汚いワンルームマンションにYは泊まりに来ました。

部屋でも半ばぐだぐだになりながら、地元にいた頃の共通の知り合いとかの話をしている内に

眠くなってきたので、部屋の照明を暗くして就寝しました。

そして夜。

なんとなく気配で起きると、Yがゆっくりテーブルの上へ手を伸ばしているのが視界の片隅で見えました。

(っていうか、テーブルの上って俺の財布あったような…)

予感は的中。

薄暗い部屋の中、寝たふりを続けながら視界の隅の方でYの動きを追うと、

テーブルの上に置かれていた俺の財布をゆっくり手に持ち、中を開いて確認しようとしていました。

俺自身、気が弱いし、起きて何か言うともの凄い気まずい雰囲気になるのが目に見えているので

とりあえず

「んんー」と寝ぼけたふりをして唸りました。

すると、Yはビクッとして急いで手を引っ込めて、また布団に戻るのが見えました。

翌日、俺は何事もなかったかのように振る舞い、そのままYは田舎に戻りました。

未だにYとは付き合いが続いていて、たまにうちへ泊まりに来ますが、

あの夜の出来事を思い出す度、かなり複雑な心境になります。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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