我が家の周りは新興住宅地で、野山を切り開いて新しい家やアパートがどんどん建てられているといった状況です。
そして、家の裏手には60坪くらいの売り出し中の空き地があります。
先日の深夜、私はトイレに行きたくなり目を覚ましました。
2Fの自分の部屋からトイレまでには
裏手の空き地を覗ける窓があるのですが、
用を足して部屋に戻る時、その窓が目に入りました。
カーテンの閉められた、普段は全く気にもならないような窓。
さっさと部屋に戻って寝たいはずなのに・・・。
私はそれでも何となく気になってしまい、カーテンを開けて窓の外を覗きました。
空き地の真ん中に、白いものが光っていました。
よく見ると、それは紙でした。
神棚に供える榊の葉に、折った白い紙を付けませんか?
あの紙です。
微かな風に揺れて、夜の暗闇の中でよく目立っていました。
私は闇に目を凝らしてよく見てみました。
4本の細長い枝のようなものが四本、四角形になるように地面に刺さっています。
そこには藁のようなものが結ばれていて、四角形が形作られていました。
その四角形の中に、は、暗くてよく分かりませんでしたが、何かが小山になって盛られていました。
分かりにくいかも知れませんが、上から見ると下の図のような感じです。
・―・
|◎ |
・―・
・←刺さっている棒
-←結ばれている藁
◎←何かの山
多分、1㎡×1㎡くらいはあったと思います。
最初に見た白い紙は、4~5枚位で、藁に結び付けられていました。
私は毎日通学の時にその空き地を通るのですが、
その日の夕方には、確かにそんなものはありませんでした。何も無い、ただの空き地だったはずです。
奇妙だとは思いましたが、
私は、この空き地が売れて、これから家を建てるから地鎮祭でもしてるのかな・・・と思い、
カーテンを閉めて部屋に戻りました。
翌朝、改めて窓の外を見ると、昨晩見たものは跡形も無く、見慣れた空き地が広がっているだけでした。
朝食の時に両親に聞いてみましたが、
あの空き地が売れたという話は聞かない、
深夜に地鎮祭を行って、すぐに撤去するなんてありえないと言われました。
それ以来、あの地鎮祭のようなやしろ?は見ていません。
私は残念ながら地鎮祭に立ち会った記憶も知識もないので、
あれが地鎮祭のものだったかと言われると自信がありません。
何か別の祭壇?だったのかも知れません。
あれは何だったのでしょうか。
怖い話投稿:ホラーテラー 劣さん
作者怖話