中編3
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墓地

私は、小さい頃から墓地で走ってはダメと教えられてきました。

親に理由を聞くと、

「墓地で転ぶと死んでしまう」というのです。

最初はただの迷信だと思い、別に信じていませんでした。

今でも信じてはいません。

ですが、お母さんのお兄さん(Mさん)は本当に亡くなったそうなのです。

今から10年と少し前の事らしいのですが、Mさんが久々に実家に帰り、お墓参りをしていたそうです。

お母さんは5人兄弟らしいのですが、久々に兄弟に会った事もあり、Mさんは少しはしゃぎ気味で、墓地に向かいました。

しんみりとした寂しい墓地にMさんは兄弟と話しをしながら、場を盛り上げていました。

とても明るい性格で、ムードメーカー的存在だったらしいのです。

その性格からか、はしゃいでいたMさんは周りが見えなくなっていたのでしょうか…

転んでしまったのです。

砂利のうえにMさんは寝転びました。

「いってーな!」

そう言い放ち、Mさんは起き上がりました。

その頃はみんなあの迷信を知っていましたが信じてはおらず、兄弟たちも

「あーあ、罰あたった。お前死んだな(笑)」

などと笑いながらからかったそうです。

もちろんKも爆笑しながら立ちました。

その日は何も異常がなく、そのまま終わりました。

そして次の日も、次の日もKはいつも通りでした。

そしてその3ヶ月後、Kの奥さんに赤ちゃんが産まれました。

まだ私が2歳の頃のことです。

Kは幸せでいっぱいでした。

でも、それから1週間後の事です。

Kはいつものように仕事をしていましたが、具合が悪くなったのか、会社の同僚に

「悪いが、凄く具合悪いから救急車を呼んでくれ」

と、頼みました。

同僚も

「救急車なんて大袈裟だろ」

と、言ったそうなのですが、あまりにも真剣に言うので救急車を呼んだそうです。

そして救急車に乗り病院に向かいました。

Mはよほど具合が悪かったのでしょう。

Kは救急車の中で眠ってしまいました。

そして、病院に着いてもそのまま目を覚ます事はなかったそうです…

30という若さでこの世をさったKに対し、みな悲しみました。

その時、Kの母(私のおばあちゃん)はみんなの前では涙を流さなかったそうです。

私のお母さんはその瞬間、母の強さを身にしみたと話していました。

そうした中、お葬式が行われました。

が、不可解な事がたくさんおきたとの事です。

いきなり電気が消えたり、遺影が倒れたりしました。

そんな事が続いた中、おばあちゃん家の方では燈籠(とうろう)流しがありました。

ろうそくに火をつけ、亡くなった人の名前を書き、それを海に流すのです。

私も詳しくは分からないのですが、死んだ人に関係のある行事らしいのです。

ですが、Mの燈籠だけは流れませんでした。

みんなの燈籠が流れた後も、Mのだけはずっと港から離れようとしません。

その瞬間Mの母は

「赤ちゃんの事は心配しないでいきなさい。」

そう一言いうと、Mの燈籠は納得したように流れていったそうです。

きっと自分が死んだ事を受け入れたくないこと、産まれたばかりの赤ちゃんに未練があったのだと思います。

私は迷信は信じないけど、今でも墓地には転ばぬよう気を遣ってしまいます。

怖い話投稿:ホラーテラー ぴっぴーさん  

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