20時すぎ。
10月にもなると暗くなるのが早いようだ。
仕事を終えた俺はいつもの道を帰る。
まわりには田んぼと山しか見えない道。
100mおきにある街灯が道路を照らしている。
上をみあげると空には無数の星。
綺麗な星空だ。
思わず目を閉じる。
暗闇の中、鈴虫の音がこだましている。
ふときづいた…。
いつのまにか冷や汗がでている。
秋の肌寒さが鳥肌をたたせる…。
まわりを見渡す。
月に照らされたカカシ。
人にしか見えない…。
後ろを向けば墓地。
カサカサ音がなっている…。
恐怖を想像させる…。
耳鳴りもする。
「早く帰ろう」と独り言をいい
ながら家に帰る。
家につき風呂に入り食事を済ませた。
22時過ぎ。
テレビをみながらうとうとする。
そろそろ寝るかと思い床につく。
天井にみえる豆電球の明かり。
星を思い出す…。
何気ない日常生活。
朝起きて仕事にいき寝る。
毎日の繰り返し…。
「夢」
主に人の脳は寝ている間にその日の出来事等について整理をおこなう。
イメージを思いだし処理する。
それが夢となり想像させる。
問題のない出来事、たいしたことがない肉体的、精神的なダメージについては処理が無事に終わるため起きるとわすれる。
ただし容量以上の負荷がかかった場合、これから負荷がかかるであろうことを脳が予測した場合においては起きても覚えている。
辛い出来事等において処理しきれない場合は何日も何週間、何ヵ月もかけ負荷をなくす。
「予知夢」
これから起こりうる肉体的、精神的な事に対して負荷がかからないように和らげておく準備。
皆さんよく聞くであろう。
誰かが亡くなる前、夢によくでると言う方。
それは実際に起きた出来事に対して容量以上の悲しみが精神を襲うための脳の心構え。
ある日俺は夢をみた。
電車の人身事故。
「やばい…仕事に間に合わない…」
そんな事を考えながら気になって窓からホームを覗く…。
線路上にあるのは此方を凝視した仏様。
覗かなければ良かった。
目があってしまった。
下半身がなく腕も片方ない。
スーツを着ている。
耳が痛い。
あまり想像したくない。
解雇された翌日。
いつも通りに会社に向かう。
ホームに立ち、解雇されたことを思い出す。
立ち尽くしたまま電車を見送り
また次の電車をまつ。
線路から放つ誘いの念を浴び死へと誘う。
今でも脳裏に焼きついている…。
貴方は昨日の夢を覚えているだろうか。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話