短編2
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逆襲

秋も終わろうかという、かなり肌寒い時期だった。

クラスのイジメられっ子だった僕がついにキレた。

キレた理由は言いたくない。

奴らは一線を越えたんだ。

我慢の限界だった僕を、喘ぎながら何とか生きていた僕を、いとも簡単に蹴落としたんだ。

復讐の領域へ。

僕は早速、祖母から聞いた呪法を実行に移した。

一人殺せば十年、自分の寿命が縮むのは分かっていた。

でも、もう誰にも止められない。

僕はまず捕まえた四匹のバッタの足をもいだ。

そしてそのバッタの背中に虐めた奴の名前を書く。

いよいよだ!

僕は神社に行き、蜘蛛の巣を探した。

でかい巣を見つけた。

手の平程もある女郎蜘蛛が秋風に揺れながらも静止していた。

「死ね!田中!」

今では殿様とはとても呼べない、手足のないバッタを巣に投げる。

見事ピタッとくっついたそれに、女郎蜘蛛が、静かに、しかし迫力満点で近付いた。

(うっひょ~♪ざまあみろ田中~!!)

「次は木島~お前だ~♪」

家に帰った時にはもう日は暮れかかっていた。

「婆ちゃん、言われた通りやったよ」

祖母は

「そうかい、あれは強力だからね。イチコロだよ」

と言いながら僕の頭を撫でてくれた。

あれから二年が経つ。

それなのに、奴らは平気で生きている。

生きたまま、ついに卒業式を迎えてしまった。

「婆ちゃん!あいつらまだピンピンしてるよ!」

僕は、すぐ後ろに座っている祖母に小声で話し掛けた。

祖母はクスクス笑いながら

「そりゃあそうさ、嘘だもの。でも、卒業式まで耐えられただろ」

と言いさらに笑った。

「清水浩君」

僕の名前が体育館に響いた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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流石おばあちゃん、年の功と言いたいが、殺生はアカンでしょ?

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