短編2
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本当は…

「昨日すっげぇ怖いビデオ見たんだ」

そう切り出してきたのは、私の友人のタケルだった。

最近、怖いビデオにはまってるらしく、土日には数本のホラービデオを見てるらしい。

「そのビデオは、マジやばくて、見ると呪われると言われてるんだ!」

いつもは、ふざけ半分で話すタケルが真剣に話すので、私もそのビデオの中身が気になった。

私はタケルの家に上がってそのビデオを見せてもらうことになった。

「最初に言っとくが、このビデオは最初から最後まで見るのが原則だ。」

「また、途中で目を塞いだりしたらダメだよ。」

とビデオを見る前に真剣な顔をして言われた。

そのビデオの中身は、まず見知らぬ山奥で車から

女性が出てくる所から始まる。

あれこれと考え事にふけっているような面持ちで

近くの川を眺めていた。

そこから、場面は急に変わり今度は、訳の分からない言語を話す男が、いかれたように頭を掻きむしってる映像だった。」

「その後、何かよくわからない儀式をしている南国の映像が流れた。」

途中で映像が乱れてびりびりになっていった。

小声だけど「私は、行き

たくない。」という声が聞こえる。

最後は、女性の悲鳴が聞こえてビデオは消えた。

噂では、このビデオはとある心霊スポットへ行った時に撮られた映像らしい。

なにがやばいかと言うと、このビデオを撮った人はその三日後に死亡し、そのビデオに写っていた女性も謎の死を遂げたていたからだ。

実は、このビデオは最初

女性が現れて、途中訳のわからない映像が流れ、最後にまた同じ女性に戻るという構成になっていた。

タケルは、途中トイレを我慢できずトイレにかけこんで行った。

私は、トイレに行ったのは知っていたが、こんなビデオで本当に呪いなんかかかるわけないと思っていたので止めなかった。」

その日は、何事もなかったように家に帰ることになった。

次の朝、学校に行った私は驚いた。教室全体が静まり返っているのだ。

中には、啜り泣く声も聞こえる。

教室に先生が入ってきて、「皆さん聞いてください。昨日、○○タケル君がお亡くなりになられました。

昨日は、一日中雨が降り続き視界が悪かったせいか、自転車に乗っていた ○○君は前から走って来た車に衝突してしまいました。

病院に運ばれましたがもう意識がなかったそうです。

皆さん、葬儀に参列してあげて下さい……

必死に涙を堪えていた先生も目には、大粒の涙が浮かんでいた。

その後、あのビデオの話は聞かなくなったが、今でもあの時私がトイレに行くのを止めていたらと

後悔の念が駆り立てる。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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