中編3
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人形

2ヶ月ほど投稿できなかった。

「始まり」

「定め」

「夜中」

「匂い」

「木目」

「想像」

「俺」

「邪」

「人筆」

「鉄柵」

「産声」

「杯」

「傘」

「電車」

興味のある方は検索してくれ。

さて、本題だ。

体の構造にはすべて意味がある。

目で見て、

手で触り、

耳で聞き、

鼻で嗅ぎ、

口で味わい、

肌で感じる。

全てが脳で繋がり、意味があり無駄なものもない。

坊さんの家に行き本堂で蝋燭を一本たて、怪談話をつまみにしながら酒を飲んでいた時だ。

坊「面白いもんみせてやる(笑)」

ニヤリと笑い坊さんは奥の部屋へと消えた…。

蝋燭一本の薄明かりの中、一人で酒を飲む…。

耳鳴りがした…。

嫌な気配…。

ミシ…ミシ…ミシ…

襖の奥から近づいてくる足音。

此方へ向かってくる…。

スーっと襖が開き暗闇の中、坊さんが笑いながら顔をだす…。

憑かれている…。

目の焦点があっていない。

手には何やら物を持っている。

ニヤニヤと笑いながら坊さんは

俺の前に物をおく。

薄暗い中、正方形の物が目の前に置かれた。

目の前の物の隙間からは糸のような物が無数に伸びている…。

蝋燭の火に照された物が箱だとわかった…

木箱。

よくみればまわりには経を施した紙…

箱から覗く糸が黒光りをしている…。

蝋燭の火は今にも切れそうな街灯のように一定の間隔で暗闇と灯りを交互にともす…。

糸がうねうねと動いているようにみえる…。

確信した。

毛だ…。

坊さんは箱に手を伸ばし蓋をあける…。

耳が痛い…。

此は不味い…。

中には日本人形がはいっていた。

薄暗いがよくわかる。

目は細長く髪はボサボサ…

古めかしい着物を着ている…。

蝋燭の火が人形の目を輝かせる…。

俺「これはまずいよ…」

小さな声で坊さんに話すが目が虚ろだ…。

よくみると坊さんが人形と同じにみえる…。

細めた目が此方を睨み凝視している。

坊さんではない。

俺に何を伝えたいんだ…。

坊「此は姫じゃ…」

俺「ん?」

坊「殿を殺され、生け捕りにされ、酷い仕打ちをされたんだ…」

俺「そうかぁ…どうしてほしいんだ?」

坊「団子を食べたい…」

俺「わかった。」

坊「憎い…」

俺「ん?」

坊「憎い…憎い…憎い…憎い…憎い…憎い…憎い…憎い…にぐい…にぐい…にぐい…にぐい…にぐい…にぐい…にぐいぃ…にぐいぃ…にぐいぃ…にぐい…にぐい…にぐい…にぐい…にぐいぃ…にぐいぃ…にぐいぃ…にぐい…にぐい…にぐい…にぐい…にぐいぃ…にぐいぃ…にぐいぃ……」

耳の中でこだまする…

にぐいぃ…にぐいぃ…にぐい…にぐい…にぐい…にぐい…にぐいぃ…にぐいぃ…にぐいぃ…にぐい…にぐい…にぐい…にぐい…にぐいぃ…にぐいぃ…にぐいぃ……

気がついた時には寝ていた。

隣には坊さんが寝ている。

箱も人形もない。

ただ毛だけが散乱していた。

坊さんを起こし人形に団子と読経をしてやれといい帰った。

坊さんは首を傾げていた…。

俺は経を施した紙を巻いた木箱にはいった人形とだけ放ちその場を去った。

去り際にみた坊さんの青ざめた顔がいまだに忘れられない…。

「毛」

世間一般的には体を護るためといわれるが他にも役割がある…。

気を放出するためだ。

上半身の毛が少なく下半身に毛が多いやつは神経質。

腕に毛が多いやつは優しいやつ、と体から発する気を毛として放出する。

逆に毛から気を吸収するケースもある。

エロいやつは後頭部の毛から気を吸収するから毛がなくなる。

日々答えもない悩みに悩むと前頭部の毛がなくなる…。

「人形」

皆さんよく聞くであろう。

人形の毛がのびる話…。

貴方の家の人形も毛が伸びているだろう?

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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