中編3
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異変

いつものようにベランダでタバコをふかす…。

カラカラカラカラ…

何処かで車輪が回っている…。

何気ない金曜日の夜だったはずだ。

妻が帰るまでは。

耳が痛い…。

ベランダから部屋に戻った時だ。

ガチャンと玄関が音をたてる。

妻だ。

俺「お帰り」

妻「ただいま…」

頬はこけ、目は窪み生気がない。

体全体を紫がかったどす黒い物が覆っている…。

今朝とは大違いだ。

俺「なんかあったね?」

妻「…?」

俺「…」

妻「今日は疲れたから寝るね」

俺「…お休み」

そっけない態度だ…。

俺に隠しても無駄なのに…。

俺には妻の背中に子供が抱きついている上にズボンの裾を引っ張る子供も視えている…。

気づくと部屋中がバチバチと音を立てていた。

俺「やばいなぁ…」

何度も言うが俺は人を諭す事だけしかできない。

霊と同調し視て諭すことも出来るが俺には浄霊ができない。

通常、霊に憑かれ同調されると精神がやられいずれ肉体を滅ぼす。

俺は寝れなかった。

寝ている妻を監視していたから。

変態ではない…。

妻は何度も魘されていた…。

一晩視てわかったているのは2つ。

子供には2人だけ憑いていること。

俺に助けを求めていること。

面倒くさい…。

人とは会話が出来、霊とは同調出来れば何をしてほしいのかがある程度わかるが今の妻に憑いている霊とは同調もできない…。

それは喋ることのできない乳幼児だから…。

寝ている妻の回りをハイハイしながら此方を見ている。

白目のない真っ黒な瞳で…。

想像させる…。

朝。

寝起きの妻に寝不足の俺が聞いた。

俺「話せ…」

妻「何?」

力のない声だった。

俺「わからないのか?」

妻「何が?」

俺「昨日なんか拾わなかったか?もしくは誰かからもらってないか?」

妻「多分ないよ…どうしたの?」

本当に知らないのか…?

俺を見つめる妻の眼球が黒くみえる。

耳鳴りが酷く頭が痛い…。

俺「荷物みていいか?」

妻「え゛っ!?」

俺は了解を得ずに妻の鞄、服を全てをあさった…。

俺「…」

上着のポケットに真っ白なお守りのような紙の包みを見つけた。

俺「これか…」

俺「なんだか知ってるか?」

妻「なにそれ?」

俺「中見るぞ…」

了解を得ずに開ける。

三角に折ってある正方形の白い紙。

昔、粉薬を包んでいたような紙。

広げる度に耳鳴りが酷くなる…

中にあったのは黒いガムが固まったような物質が二つ…。

俺「臍の緒…」

妻「え゛っ!!何!?」

俺「多分臍の緒だよ…」

久しぶりに鳥肌がたった。

妻は青ざめている…

妻「何?何で?何で?何?誰がいれたの?」

混乱している…。

本当に知らないのだろう。

俺「嫌がらせをされた心当たりは?」

妻「わかんないよ…何で?何で?誰?誰?」

俺「ふぅ〜…」

その日俺は妻を連れて坊さんに会いにいった。

坊「いいもんてなんだ?」

坊「生贄か?」

坊さんはニタニタ笑っている。

俺はもっといいもんだと薄笑いをしながら紙を渡した。

坊「…」

坊「……」

坊「………」

坊さんは紙をてにしたまま動かない。

笑みが消え青ざめている。

俺「宜しく頼む!」

坊「おいおいおいおい…」

青ざめている坊さんのすきをついて逃げるように車を走らせた。

坊さんが後ろで叫んでいる(笑)

坊さんには期待をしていないが気休めにはなる。

昼頃。

妻と喫茶店にはいる。

食事をしながら昨日妻が接触した全ての人、会社にいる人の名前をわかるだけかかせ、同時に特徴、性格できる限りの情報を集めて視た…。

俺「違う…」

おそらく妻が知っている人ではない。

既に妻は同調され肉体にまで影響がでている。

完全に精神を破壊されるのも時間の問題だ…。

長くはもたない。

長い2ヶ月間だった…。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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