中編4
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看板…後

『看板』

を最後まで読んでくださった皆様ありがとうございました。

せめてもの、お礼と致しまして…こちらも読みごたえがあるわけではないのですが、ぜひ読んでください。

俺とBは声も出せず、動くこともできずただそこに居るしかなかった。

すると、

A『なんかさっきから気分が悪い、あんなもの見ちゃったから当たり前か…』

などと呟いた。

少なからず、俺は思った。真後ろにそいつが居るから気分悪いのは当たり前だ…。

俺はまともにAの方を見れないでいた。

そんな中、たぶん時刻は朝4時をまわった頃だと思う、空が明るくなりはじめた。

心地よい早朝の風や空気のはずが、全く心地よくない。それよりも生きた心地がしない…Aの真後ろでゆらゆら揺れている女が全てを支配していた。

何も出来ずにコンビニの駐車場に居た俺たちの所へ1台のバイクがやってきた。

奇跡的にお坊さんだった。

俺はお坊さんを見て軽く涙が溢れた、

お坊さんはコンビニに居るオッサンに慣れている様子で挨拶を済ませ俺たちの車のほうへ向かってきた。

お坊さん『君はちょっと私について来てくれるかな?』

Aの事だった。

Aは訳もわからずお坊さんに言われたことを素直に聞いていた。

お坊さん『それと、君達2人は私のバイクの後をついてきてくれるかな?』

俺とBも素直にお坊さんの言う事を聞いた。

俺は一体何がどうなってるのかわからなかったが…とりあえず助かったと思ってBと共に車の中で呆然としていた。

Aは何やらお坊さんから、これから向かう先までの注意みたいなのをいろいろと聞かされていた。

まだ出発しなさそーだな。あの女はまだAの後ろに居る。

そこに、コンビニからオッサンが出てきて俺とBの居る車へやってきた。

オッサン『君達、もう安心していいぞ、あの坊さんの言うこと聞いてれば友達も無事帰れるからな。君達あそこの橋に行ったんだろ?あそこには、あの女の強い怨念が染み付いてて、霊感ない奴にも見えちゃうんだよ…毎年夏になると何回か必ずうちのコンビニに憑かれたまんまのやつが来たりするんだよ。君達の友達も完全に憑かれてたから、おれが坊さんを呼んだんだわ。じゃあ気をつけてな』

そう言ってオッサンは俺とBに缶コーヒーをくれた。長距離ドライブで朝方という事もあり、疲れていたので缶コーヒーは最高に嬉しかった。

それよりも、お坊さんを呼んでくれたことに本当に感謝した。

そうしているうちに、お坊さんとAは出発する準備が出来たらしく、俺も車を走らせる準備をした。

Aはお坊さんの後ろに座りお坊さんにしがみつく形でビックスに乗っていた。

このとき、

Aはお坊さんから以下のような注意を受けていたらしい。

・いまからお祓いをする場所に着くまで、絶対に目を開けてはいけない。

・お坊さんから離れないように、そして何よりもあの女に連れてかれないようにしっかりとしがみつく。

・最後に『自分は優しくなんかない』と、ずっと念じなさい。

以上3つの事だった。

お坊さんとAが乗ったバイクが出発し、その後から俺とBの乗った車がついていく。

お坊さんが次第にスピードを上げていく、Aに憑いているあの女はAの肩にしがみつき、風に煽られながらも必死に食らい付いている。

異様な光景を目の前にしながらも俺はお坊さんの後を必死に追いかけた。

やがて、

長い直線道路に入った、公道ではなく私道のような場所だった。

なぜなら、直線道路の脇には電柱ではなく、お札が貼られた木だけがたくさんある道だったからだ。

お坊さんはさらにスピードを上げた。

100kmは出てたと思う、Aの肩にしがみついていたあの女が、ついにAから離れた。

そしてあの女がゆらゆらと動いている真横を物凄い勢いで俺達の車が通り過ぎた。

あの女は俺達の車が通り過ぎたときの風圧かなんかで、お札の貼られた木にぶつかり、その場で止まっていた。

そして、お寺に着いた。

俺はお坊さんに案内された車をお祓いできる駐車場みたいなところに車を止めて、俺・A・Bの3人でお祓いを2時間くらいうけて、無事終わった。

お祓いの後、お坊さんから朝ごはんを頂いた。

ごはんを食べ終えて、お坊さんと話しをした。

なんであの場所へ行ったかなど、あの女についてなど、いろいろ話した。

お坊さん『あの女の霊は強い憎しみが怨念となり、あそこの橋に出たりするんだよ。女が死んだ理由ってのがな、、、長年付き合ってた男性に裏切られて、絶望と寂しさであの橋から谷底に身を投げ出して飛び降りたんだよ…。それでな、女は寂しくてきっと愛が欲しかったんだよな、、、落ち込んでいるときに励ましてくれる優しい心を持った男性にまた出会いたかったんだよ。それでも、なかなか現れず…結果的には自殺してしまったんだがね、、、だから、あの女は優しい心を持った男性に憑いては、あっちの世界に引きずり込もうとするんだよ…。だが、君達はもう大丈夫だ。安心しなさい。』

その後、午後2時くらいまで一休みというか昼寝をさせてもらい。お祓いの終わった車で、高速を使い無事に帰ってきました。

この一件があってからは、さらにうちらの絆も深まり。今でも遊んでいます。

以上。

本当に最後まで読んでいただきありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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