短編2
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「ごめんね」㊤

若き頃のあやまち

たまたま行ったコンパで親しくなり

なんとなく付き合い始めて半年

彼とは一緒に居ると楽しいけど…

将来の事は全く考えた事など無かった。

月のもの(生理)が来なくなり約三ヶ月

意を決し産婦人科へ

「おめでとうございます妊娠三ヶ月です」

…妊娠!?私が!?子供…どうしよう…

(この時、私の中で結論はもう出ていた)

とりあえず相手もある事なので彼に相談?報告?をする事にした。

「妊娠しちゃったみたい…」

彼は驚いた顔をしポツリと一言

「参ったな…」

(まぁそうなるわね…)

その後、お互い話し合い罪悪感を払うかの様にあれこれ理由付けをし…

結局中絶する事に…

不謹慎にもお互いさほど抵抗は無かったと思う。

産婦人科の待合室で待っていると

沢山の妊婦さんや赤ちゃんがいて

その姿を見ていると自然と波が溢れ出た。

今になって事の重大さと後悔が…

手術室に入ると特殊な手術台があり

それを見た途端、今度は恐怖心が襲って来た。

その台に横たわり少しするとすぐに麻酔が効いて来て落ちる様に…

気が付くとベッドの上でした。

まだ麻酔が効いているのか虚ろな感覚の中

終わったのか~と思うと同時に

下半身から激痛が走った

すぐに先生が処置をしてくれたのですが

2日程の入院が必要との事

その日は心身とも疲れ果てすぐに眠りに付きました。

翌朝

何やら騒がしい声が耳に入り目が覚めた。

どこからか子供の声がする。

どうやら廊下で遊んでいる様だった。

しばらくすると人の気配がして振り返ると

病室の入り口付近で3歳くらいの男の子がおもちゃで遊んでいる。

私の顔を見てニコッと微笑んだ…可愛い。

私も微笑み返した

すると

男の子は病室まで入って来て遊びだし、私と目が合うと「ごめんね」

と言って来た。

私は「良いのよ」て言う意味を込めうなずく

しばらく遊んで男の子は居なくなったが

虚ろな中で、もし生んでいたら私の子は男の子?女の子?どっちだったのだろう…

と考えていました。

身体は相変わらず倦怠感が取れ無いが夜が更け眠りに付いた。

つづく

怖い話投稿:ホラーテラー アンチャンコナイノイルさん  

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