短編2
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俺の彼女は霊が見えるらしい。

らしいというのは俺自身全く霊感がないものだから、真偽の確かめようがないからなのだが、一度だけ、おぉ!と驚いた事がある。

彼女と付き合い初めて半年が過ぎた頃、二人で東北の某地方都市に遊びに行ったんだ。

昼飯食って「さ~て次どこ行こうか?」なんて喋りながら大通りを歩いてたんだけど、横を歩いていた彼女が急に立ち止まったんだ。

いつもの事で慣れっこになっていた俺は、いつものように彼女に聞いてみた。

「何かいるのか?」

「・・・・・うん」

「やばい感じの奴か?」

「うん・・・見た目がちょっとね・・・」

「へえ、どんな奴?」

「・・・言っても信じないからいい」

歩道の真ん中に立ち尽くす俺達を迷惑そうにちらちら見ながら多くの人が通り過ぎる。

俺は何となく、彼女の話を詳しく聞きたいという思いにかられ、近くにあった喫茶店に彼女を誘った。

「顔半分が潰れた男が道路にはいつくばって何かをかき集めてるの。スーツ着てるからサラリーマンだと思うけど」

「まじ!?」

「腕も足もおかしな方向に曲がってて、多分事故で亡くなったのね」

「ふ~ん・・・」

「大声で叫んでる・・・さきっ、さきって」

「・・・・・」

俺は、彼女がトイレに行っている間に、その店のマスターにそれとなく聞いてみた。

マスターの話は彼女の能力を証明するに充分過ぎるものだった。

3年前のクリスマスイヴの夜、30歳くらいのサラリーマンが、凍結でスリップしたダンプにはねられ即死した。

翌日から毎日のように小学の低学年くらいの女の子と母親らしい女性が花を手向けに来ていたという。

トイレから戻って来た彼女にその事を伝えると、納得したように

「クリスマスケーキだったんだ」

と呟いた。

「ケーキって・・・かき集めてる物がか?」

彼女はうなづくと

「この店にも来てますよね?その母子」

とマスターに尋ねた。

??マスターはきょとんとして、どう答えたら良いのか迷っている様子だった。

「いつもさきちゃん、ここでミックスジュースを飲んでますよね。見えるんです」

マスターは心底驚いたという感じで完全に押し黙ってしまった。

「毎日花を供えに来ていて、会えないものなのか?霊と人間って・・・」

俺の問いに彼女は

「そのあたりの事は、よく分からない」

と悲しそうに首を傾げた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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