続きです。
教室に戻り授業も終わり、放課後になった時。
俺はEさんに声を掛けた。
Eさんに纏わり付く影が見えたこと、それが影響して体を蝕んでいること。
俺には見ることはできるが、それを払うことはできないということ。
そして今からTの家について来てほしいということを伝えた。
Eさんは涙ぐんでいた。よほど辛く、そして多分Eさんも自分に纏わり付くものが見えていたんだと思う。
俺は急いでEさんを連れ、Tの家に向かった。
目的地に着くと、Tが家の外で待っていてくれた。
Tに案内され本堂へ向かう。ゆっくり扉を開くと、中でTのじいちゃんが座っていた。
俺達はじいちゃんの前に静かに腰を下ろした。
Eを一目みてじいちゃんが口をひらいた。
じいちゃん[これはえらいもんを連れてきよったな…辛いじゃろ。残念じゃがこれはわしらじゃ払いきらんわ。物凄い負の呪がかけられとる。]
思いもよらない言葉が返ってきた。
俺はここに連れてくればEさんを助けられると思っていた。俺が頭の中を真っ白にしてると、再びじいちゃんが口をひらいた。
[わしの知っとる人ならなんとかできるかもしれん。このままじゃとその娘の命も危ない。急いで連れていかなならん。Eさんの親には連絡はいれておく。お前も一緒についていけ。]
そう言うと、じいちゃんはTの親父を呼んだ。
どうやら車で送ってくれるようだ。
俺はじいちゃんにお礼をいい、深々と頭を下げ、車に乗り込んだ。
高速を走る車。Eさんはずっと苦しそうにしている。Eさんは段々とそして着実に体を蝕まれていっていた。
[あと少しでつく。もう少しの辛抱だ]
親父さんが言う。
4時間くらい走っただろうか?山に囲まれた田舎、結構古い屋敷みたいなところに着いた。
親父さんがインターホンを鳴らす。
ゆっくりと玄関が空き、中から60くらいのちょっと恐そうなおっちゃんが出てきた。
[話はきいとるよ。中にはいんなさい。]
おっちゃんは見た目とは違い、優しい口調で案内してくれた。
続きます。
怖い話投稿:ホラーテラー ボブさん
作者怖話