短編2
  • 表示切替
  • 使い方

朝、電車内で…

僕には霊感がないが、変わった方を見かけることが多々ある。

これは先日、新宿へ向かう電車内であったホントの話。

新宿で待ち合わせのため、僕は小○○線のとある駅から急行電車に乗った。

時間は日曜日の10時頃。

座席は空いていなかったので、僕はドア付近に立つことにした。

乗ってからしばらく経つと、なにやら対面のドア付近にいるオジサンがぶつぶつ言っているのに気が付いた。

何気なく聴いていると、

『アメリカ人は上下関係をハッキリさせたがる!命令に対する“分かりました”は“I understand”、“私は下に立つ”ということだ!実にアメリカ人らしい!』

ってなことを喋り始めた。

まぁ言っている内容はともかく、独り言にしては声がでかいので、周りの人はやや迷惑そうな感じだった。

最初は。

そんな感じのオジサン理論を喋っていたのだが、途中から話が変な方向に向かっていった。

『隣の奥さんは旦那と毎晩ヤっている!ありゃ間違いない!』

この辺から周りの乗客、特に女の人なんかは引き気味に…

場所を移り始めた乗客もいた。

でもオジサンはお構い無しに大声で続けた。

『隣の奥さんがレ○プされた!でも犯人はボクじゃない!何故ならボクは童貞だ!』

「…ナニ!?何なのこのオジサン!?」

聞き流しているふりをしているけど、僕の心臓バクバク。

周りの乗客完全引いていた。

それでもKY道を極めたらしいオジサンは大声で続けた…。

『ボクの夢は女性をレ○プする事だ!でもまだやっていない!何故ならボクは童貞だからだ!』

コレが決定打だった。もう周りの皆は場所を移動。

移動すれば良かったのだろうが、僕はオジサンの対面で動かず頑張っていた。

途中駅で何も知らない乗客が乗ってくるけど、オジサンが相変わらず“夢”を語るから皆移動…

早く新宿に着かないかと祈るばかり。

「頼むから僕に絡まないで!」と僕は心の中で繰り返していた。

新宿駅に着くと、その車両の乗客達は足早に降り始めた。

僕もその中の一人だったので、その後オジサンがどこに向かったかは知らない…

過ぎたことだけど、マジで怖かった…

現実にいる人間も十分に怖いと痛感させられた出来事でした。

怖い話投稿:ホラーテラー うみんちゅさん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ