短編2
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霊感で大儲け!

4、5年前の有馬記念の話だけど、俺と友人Yはいつもの様に競馬場にいた。

その日は朝のレースはやらず、いつもの場所を陣取った。

俺は競馬新聞に赤ペンで大きく◎をつけた。

当時大人気の

「ディープインパクト」だ。

俺「やっぱ勝つだろ!」

Y「ああ競馬に絶対は無いって言ってもこの馬は別だよな!」

俺「しっかし、今日はスゲー人だな!」

当時のディープの人気は大変なもので、すぐ後には子供連れや、ファンクラブみたいな連中まで多勢いた。

俺「もし、負けたら暴動起きそうだな?」

Y「おい、変なこと言うなよ!」

俺「わり、冗談だよ!じゃあ、そろそろ有馬の馬券買って来るか!」

Y「そうだな。俺、人に頼まれた馬券も買うから、別行動な!」

と言うことで、俺は一人で先に買う列に並んだ。

そして「ようし、ディープ買うぞ!」って心の中に思ったその時、

「ピーン!」って、髪の毛を引っ張られた。

すぐに後を見たが、誰もいない・・・

え?なんだ?俺は不思議に思ったが、そのまま並んだ。

そしていよいよ次の番まで来た時、「よーし、ディープ勝てよ!」と思った瞬間、

また「ピーン!」て、引っ張られた。

・・・まるで、買うなと言わんばかりに・・・

俺はすぐに列を飛び出し、競馬新聞を開いた!

そして1頭1頭心の中で、「買うぞ!勝てよ!」って思ってみた。

やはり、また「ピーン!」てなったので、順番にやっていったら10番の馬だけ「ピーン!」とならなかった。

何度やってもだ!

 

「10番ハーツクライ!」俺はこの不思議な力を信じる事にして、交通費だけ残して有り金注ぎ込んだ。

そしてYを探して、今起こった不思議な事を話した。

Y「何だよ!G1未勝利だぜ!買いずらいなあ、でもこの前のJC、2着だけどレコードタイム出してんな?」

俺「いいから買っとけよ!こんな事初めてなんだから!ま、責任は負えないがな。」

Y「おー、なんか来そうな気がしてきた。俺も半分買うわ!」

・・・現金な奴である。

 

俺「半分かよ、信用ねーな!」

そしてレースが始まり、なんと不思議な力の通りにハーツクライが勝ってしまった!

Yはハシャいだが、俺は驚いて逆にテンションが下がってしまった。

こんな体験をすると、喜ぶより、むしろ逆に落ち込むんだな。

その後、Yと豪遊して気は晴れたが、それ以来

「ピ-ン!」は起こらない!

あれは何だったのか?

怖い話投稿:ホラーテラー りんごあめさん  

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