これは何年か前に体験した話。
友人(A)と一緒に買い物に行く約束をしていたので
Aのアパートへ迎えに行った。
すると、Aは熱帯魚の水槽の掃除をしていた。
A『ごめん、もう少しで終わるから、ちょっと待って!』と言ったので
私はタバコを吸いながら、テレビを見ていた。
すると、Aが
『痛ってぇぇ!!』
と言いながら、のたうち回った。
私『どうしたんだよ!!』
A『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』
『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』
『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』
理性を失い、叫けび回っている。
目は焦点が合ってなく、体が痙攣している。
私は、救急車を呼ぼうと思ったが、原因がわからない。
よく見ると、指先から出血している。
私は血が出ている指の下にハンカチを思いっきりしばった。
そしてすぐに救急車を呼んだ。
きっと毒を持った魚に刺されたと思い。
電話で伝えた。
すぐさま救急隊が駆け付けた。
救急隊は、水槽を必死になって見ていた。
私も救急車に乗り、病院へ向かった。
Aは、
『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』
『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』
『ウア゛ーーーァ! ア゛ァーーー!!』
といいながら、暴れ回っている。
押さえつけるのが、大変だった。
大きな病院に着いた。
救急隊は、『恐らくエイに刺されたのだと思います!』と医者に伝えた。
すぐさま、治療室に入れられた。
私は、心配しながら廊下の椅子に座って待っていた。
すると、医者が出てきて私に内容を説明した。
医者『恐らく、エイの毒針に刺されたのだと思います。私もこのような患者さんを診るのは初めてです。 しばらくは激しい痛みと闘うことになるでしょう。』
『毎日、点滴が必要です。 長くて三ヶ月の入院が必要です。ご家族の連絡先を教えてください。』
Aの指を刺したのは、『淡水エイ』と言う魚だった。
大変、人気のある熱帯魚だが、
シリビレの付け根に、毒針が着いている。
危険を感じると、かなりのスピードで相手を刺すとのこと。
毒の力は半端じゃなく、最悪の場合、死に至ることも珍しくない。
原産地のアマゾン川では、ピラニアよりも恐れており、危険な生物ワースト1だそうだ。
Aは毎日、点滴をしながら二ヶ月半くらい入院していた。
体重は、30kgも落ちてガリガリで退院した。
Aに刺されたときの感想を聞くと、
『指を切断され、電流を流され、ヤスリで擦られる感じ。』
とわかりにくい解説をした。
本気で死を覚悟したとのこと…
これから、熱帯魚を飼おうとしている方、
この魚には、十分気をつけて下さい。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話