短編2
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噂と親友の嘘

とある地域に都市伝説みたな物がある。

それは、ある廃墟に幽霊が出ると。

その幽霊は、それはそれは美人で裸で現れるという。

ただ、その幽霊を見れる条件は童貞であること。

ある時、一人の馬鹿が確かめようと立ち上がった。

動機は女の裸が見たい。

それだけだった。

だが、一人では怖い。

でも幽霊でもいいから裸が見たい。

そこで親友に同行をお願いし、二人で行く事になった。

この親友は、俺と同じく不細工なのに彼女も居るし、何故かモテモテの羨ましい奴だ。

彼の話には、不細工な俺に希望をくれる物だった。

道中、親友は俺は童貞じゃねーから裸が見れねえじゃーかと文句を言っていた。

それでも着いて来てくれる親友の優しさに感謝しながら廃墟に辿り着いた。

ビクビクとしながら懐中電灯を頼りに散策をする。

初めの内こそビビっていたが、慣れてくると親友はやっぱり幽霊なんか居ないと茶化し初めた。

それでも俺は諦められず、必死に探した。

親友は彼女と約束あるから帰ろうと言った時、二人同時に金縛りにあった様に動けなくなった。

動けはしないが喋る事は出来、ヤバいとか動けねーとかビビりまくっていた。

ヒタ……ヒタ……

何かがくる気配と足音が聞こえる。

マジで怖い。

親友も震えながら、やって来る者に怯えている。

ヒタ……ヒタ……

姿が見えた。

人型の物がゆっくりと近付いて来る。

目を反らす事も出来ず、近付いて来るのを待つしか出来なかった。

姿がはっきりと見えた。

それは、長い髪の裸の女だった。

見たかった物が見れて嬉しいが、それ以上に恐怖が勝っていた。

親友に声を掛ける。

ヤバい、幽霊ってマジで居たんだな。

裸だけど怖くて漏らしそうだ。

親友は震えながら、何処だよ?

俺には見えねぇよ。

童貞のお前にしか見えてねえと言った。

女はもう目の前まで来た。

駄目だ、殺られると思った時に親友の、ある物を見て妙に納得して意識が途切れた。

目を覚ますと廃墟の入り口で倒れていた。

横には親友が寝ていた。

辺りはすっかり明るく時計を見ると昼過ぎだった。

半日近く寝て居た事になる。

親友を叩き起こし帰途に着いた。

帰り道、親友は幽霊なんて出なかったとか、彼女の約束破ってヤバイとか言ってるのを見て頭に来て、怒鳴った。

お前、童貞だろ?彼女とか嘘じゃねーか。

親友は、だらだらと言い訳をする。

そんな親友に俺は止めの言葉を放った。

あの女が近付いて来た時に、なんで勃起してたんだよ?

お前にも見えてたんだろ?

嘘つき童貞野郎が。

唖然となった親友をそのままに、女の裸を思い出しながら家に帰った。

怖い話投稿:ホラーテラー 無人さん  

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